「理想の家は3回建てないとできない」とよく言われます。
でも、普通は3回も家を建てられません。ほとんどの施主にとって、家づくりは初めてです。
間取り、キッチン、お風呂、床、壁紙、照明。山ほどある打ち合わせを進めたところで、今度は電気図面を渡されます。
「このコンセント、本当にここでいいですか?」「後悔しないコンセント位置、コンセントの数になりますか?」
これが、なかなか難しい。
建築士さんや設計士さんももちろんサポートしてくれます。それでも、実際に暮らし始めてから「ここにも欲しかった」「家具を置いたら使えなくなった」という後悔が出やすいのがコンセントです。
ただ、コンセント計画はセンスだけで決めるものではありません。
実は、かなり使える基本ルールがあります。
この記事では、一条工務店で実際に家を建てたときの打ち合わせや、完成後に暮らしてみた経験に加えて、日本、アメリカ、フランス、ドイツ、イギリス、韓国の住宅電気設備の考え方、建築士の提案も参考にしながら、後悔しにくいコンセント計画を整理します。
結論|コンセントは「多めに、散らして、使う場所に」
後悔しない家づくり、コンセントの位置と数について、最初に結論です。
覚えておきたいルールは3つだけ。
- 多めにする
- 散らす
- 使う場所に足す
そして、具体的な配置に迷ったら、
「四隅+アドオン」
で考えます。
Panasonicも現在の住宅に合わせたコンセント計画として「四隅配置+アドオン」を提案しています。
まず部屋全体にコンセントを散らし、テレビ、デスク、ベッド、キッチンなど、実際に電気を使うことが分かっている場所へ追加する。
シンプルですが、非常に分かりやすい考え方です。
コンセントの位置と数を決める前に
家具の配置を決めておく
家具の配置によって、コンセントが欲しい位置も変わります。
ベッド、机、ソファ、テレビボード、収納家具など、できるだけ実際のサイズまで入れて配置を決めておきます。
これが基本形になります。
ただし、現在考えている家具配置だけにコンセントを完全最適化するのはおすすめしません。
家族の成長や家族構成の変化、住人の変化によって、家具配置を変更する可能性があるなら、反対側へベッドや机を動かしても困らないようにしておきます。
家具配置はインテリアコーディネーターにお願いしたり、間取り作成ソフトを使って自分でいろいろ試したりすることもできます。
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使う器具を一度全部洗い出す
特にリビングのテレビ周り、キッチン、洗面、デスク周りは、実際に使う器具をリストアップすると必要数がかなり具体的になります。
「テレビだからコンセント1口」ではありません。
テレビの近くに何台の機器を置くのか。
キッチンで何を挿しっぱなしにするのか。
洗面所で何を同時に使うのか。
ここまで考えると、必要な数だけでなく、配置や回路も見えてきます。
設計士さんや家族とよく話す
日々の生活をイメージしながら、実際の生活と図面上のコンセント位置が合っているか確認していきます。
図面上ではコンセントは小さな記号ですが、実際にはその前に家具が置かれ、扉が開き、人が歩き、家電からコードが伸びます。
「ここで何をするか」
「どちら側から使うか」
まで考えておくと、かなり失敗を減らせます。
電気図面の検討まで来ていれば、大変だった家づくりの打ち合わせももうゴールが見えてきています。
おうちが出来た後にコンセントで後悔しないためにも、ここでもう一度気合を入れてチェックしていきましょう。
家の使い方は変わる。でもコンセントは動かしにくい
コンセント計画で最初に考えておきたいのは、今考えている暮らしが、そのまま20年続くわけではないということです。
家は何十年も使います。
その間に、家具の配置、インテリアの好み、家族構成、子供の年齢、部屋の用途、働き方、家電、通信機器、車や自転車まで変わります。
今は子供部屋でも、10年後には書斎になるかもしれません。
ベッドを置いていた壁に机を置くこともあります。
今は存在しない家電が、20年後には当たり前になっているかもしれません。
家を売却したり賃貸に出したりすれば、自分とはまった
く違う人が住む可能性もあります。
家具は動かせます。
家電も買い替えられます。
コンセントプレートのデザインも後から変更できます。
でも、
壁の中の配線は、そう簡単には動かせません。
だからコンセントは、現在の家具配置に100%最適化するより、将来変わっても困らない余白を残しておくことが大切です。
新築時なら10か所3万円。後からなら1か所3万円
わが家が一条工務店で建てた当時、一般的な追加コンセントは3口タイプでも1か所3,100円でした。
当時は2口でも3口でも同額でした。
つまり、10か所追加しても約3万円です。
家づくりをしていると金額がどんどん大きくなるので、
「コンセントを10個減らせば3万円安くなる」
と考えたくなります。
ところが、家が完成してから「やっぱりここに1個欲しかった」となると話が変わります。
既存の壁の中に配線を通し、電気工事をして、条件によっては壁やクロスの補修も必要になります。
最近購入したマンションでは、コンセントを追加するだけで1か所数万円でした。
極端にいえば、
新築時なら10か所3万円。後からなら1か所3万円。
しかも、お金を払えば必ず好きな場所へ追加できるわけではありません。
壁の構造、断熱材、下地、既存配線などによって施工できる場所も限られます。
10個付けて5個使わなくても、大失敗ではない
3,000円のコンセントを10か所追加して、そのうち5か所をほとんど使わなかった。
余分に払ったのは1万5,000円です。
一方、本当に必要な場所に1個なければ、何十年も延長コードを使うことになるかもしれません。
付けすぎの損失は小さい。付け忘れの損失は、工事費+毎日の不便+施工上の制約。
コンセントでは、このリスクの差を意識しておいた方がいいと思います。
「全部使うか?」ではなく、「将来ここで電源が必要になる可能性があるか?」で考えるのが後悔が少なくなる家づくりのコツです。
ルール1|多めにする
コンセント設置、最初のルールは単純です。
今必要な数ぴったりまで削らない。
少し余らせます。
20年後の暮らしを正確に予測することはできない一方、完成後にコンセントを増やすのは簡単ではありません。
ドイツの住宅電気設備設計でも、単なる最低限だけではなく、「標準」「快適」といった段階で設備水準を考える仕組みがあります。
最低限を満たしたから完成、ではなく、長期間使う住宅だからこそ余裕を持たせるという考え方です。
一条工務店のように新築時の追加費用が比較的小さいのであれば、なおさら最低数ギリギリまで削る必要はないと思います。
ルール2|散らす
コンセントは数だけではありません。
どこに散らすかが重要です。
例えば同じ8口でも、1か所に8口集めるのと、2口コンセントを4か所に分散するのとでは使い勝手がまったく違います。
一か所に集中させれば、家具で塞がれた瞬間に使えなくなります。
部屋の周囲に散らしておけば、ベッドを反対側へ移す、机の位置を変える、ソファの向きを変えるといった模様替えにも対応できます。
コンセントは「たくさん」だけではなく、「まんべんなく」。
迷ったら「四隅+アドオン」
そこで分かりやすいのが、Panasonicが提案している「四隅配置+アドオン」です。
普通の四角い居室なら、まず四隅周辺にコンセントがある状態を考えます。
そこへテレビ、ベッド、デスク、ダイニングなど、電源を使うことが分かっている場所を追加します。
私は、
四隅=将来のためのコンセント
アドオン=必要な場所で今使うためのコンセント
と考えると分かりやすいと思います。
もちろん「四隅」という数字を機械的に守る必要はありません。
ドアだけの短い壁や、完全に造作家具で塞がれる場所なら不要なこともあります。
逆に長いリビングの壁なら、四隅だけでは遠すぎるので壁の途中にも必要です。
本当の目的は、
電源の空白地帯を作らないこと。
です。
「1壁1か所」でもチェックできる
図面を見るときの、さらに簡単な覚え方が「1壁1か所」です。
四角い部屋なら4つの壁を一周します。
電源がまったくない壁があったら、
「この壁側に将来家具を置く可能性は本当にないか?」
と考えます。
これも絶対的なルールではありません。
アメリカの住宅電気設備では、壁沿いのどの地点からもコンセントまで遠くなりすぎないよう、距離で配置を規定する考え方があります。
大事なのは「1壁に何個」ではなく、
その場所で電気を使おうと思ったとき、近くに電源があるか。
です。
ルール3|使う場所にはさらに足す
四隅にコンセントがあるから、
「この部屋は4か所あるので終わり」
ではありません。
その上に、実際の生活を重ねます。
テレビを置くならテレビ用。
ベッドならベッド左右。
机なら机用。
キッチンなら調理家電用。
ベースコンセント+用途コンセント。
この順番が重要です。
現在の家具だけを先に見てコンセントを置くと、今のレイアウトには完璧でも、家具を動かした瞬間に使いにくい家になります。
まず将来の自由度を作る。その上に、現在の家具・家電を重ねる。
120㎡・2階建て3LDKなら「65か所」を一つの目安に
では実際、コンセントはいくつくらい必要なのでしょうか。
モデルケースを作ってみました。
条件は、延床約120㎡、2階建て3LDK。
1階にLDKと水回り、2階に主寝室+子供部屋2室。
エアコン用コンセントは別枠とします。
| 場所 | 目安 | 考え方 |
|---|---|---|
| リビング・ダイニング | 12か所 | 四隅・長い壁+TV/AV+ダイニング+ソファ+ロボット掃除機 |
| キッチン | 9か所 | カウンター+冷蔵庫+電子レンジ+炊飯器等+パントリー |
| 主寝室 | 7か所 | 四隅+ベッド左右+デスク・ドレッサー |
| 子供部屋1 | 5か所 | 四隅+デスク |
| 子供部屋2 | 5か所 | 四隅+デスク |
| 洗面・脱衣・ランドリー | 6か所 | 洗面+洗濯・乾燥+床付近+高所 |
| 玄関・SIC | 3か所 | 玄関+収納+充電 |
| トイレ2か所 | 4か所 | 便座用+汎用を各1 |
| 廊下・階段 | 3か所 | 各階+階段周辺 |
| WIC・その他収納 | 5か所 | Wi-Fi高所+掃除機+ロボット掃除機+除湿機等 |
| 屋外・駐車場 | 6か所 | 建物前後+テラス+自転車+車+防犯・照明等 |
| 合計 | 65か所 | エアコン用は別 |
65か所は「付けすぎ」の数字ではない
「65か所もコンセントを付けるの?」
と思うかもしれません。
でも、65という数字を先に決めて、家中にコンセントをばらまいたわけではありません。
四隅に散らす。使う場所に足す。Wi-Fi、収納、ロボット掃除機、屋外など忘れやすい場所を拾う。
一部屋ずつ普通に考えていった結果が、およそ65か所です。
65か所は「ぜいたくに付けた数」ではなく、120㎡の家を現代の生活に合わせてきちんと計画すると、このくらいになるという数字。
私はそう考えています。
70か所、80か所でも全然おかしくない
もちろん65か所が上限ではありません。
LDKが広い。
書斎やスタディスペースがある。
AV機器が多い。
収納が多い。
ガレージがある。
屋外設備が充実している。
そんな家なら70か所、80か所を超えてもまったく不思議ではありません。
大きな家ほど部屋も壁も収納も増えます。
当然、電源を使う場所も増えます。
「家全体で何個まで」と先に上限を決める必要はありません。
必要になる可能性のある場所を一つずつ確認し、その結果として何個になったかを見る方が自然です。
大量に増設するのではない。そもそもの標準数が少ない
一条工務店の電気図面を見ながらコンセントを追加していると、
「こんなに増やして大丈夫かな?」
という気持ちになるかもしれません。
でも私は、見方が逆だと思います。
大量に増設しているのではなく、最初に用意されている数だけでは、現代の生活には少ない。
テレビ周りだけでも何台もの機器を使います。
家族全員がスマホやタブレットを持ちます。
Wi-Fi、ロボット掃除機、コードレス掃除機、電動自転車など、以前の住宅にはなかった電気機器も増えました。
さらに家具配置の変更まで考えれば、今すぐ使わない壁にも電源を散らしておく必要があります。
Panasonicの現在のモデルプランでも、リビング・ダイニング15か所、キッチン10か所、寝室10か所、子供部屋6か所、洗面8か所など、かなり多くの設置例が示されています。
その意味でも、120㎡で60個台は特別な数字ではありません。
子供部屋|6畳程度なら「四隅+デスク=5か所」
個室はかなり簡単に考えられます。
エアコンを除けば、
四隅4+デスク1=5か所。
これを基本形にします。
子供が小さいうちは、机もベッドも位置が変わります。
子供が独立すれば、客室や書斎になるかもしれません。
現在の机位置だけに合わせてコンセントを置くより、部屋全体へ散らしておく方が将来使いやすくなります。
主寝室|6〜7か所
主寝室なら、四隅4か所に加えて、ベッド左右、デスクやドレッサーを考えて6〜7か所程度。
ベッドサイドと四隅を兼用できれば少し減らせます。
わが家では、ベッド脇の両サイドに加えて、寝室の入口側にもコンセントを設置しました。
ベッド周りでは、
- スマホ
- スマートウォッチ
- ベッドサイドライト
- 加湿器
- 空気清浄機
などを使います。
さらに、わが家ではベッドの下にもロボット掃除機用のコンセントを設置しました。
高さのある基地は置けませんが、当時は「ルンバをベッド下へ帰す」という考え方でした。
これは意外と盲点かもしれません。
リビング・ダイニング|12か所程度
広いLDKでは四隅だけでは足りません。
まず部屋全体へベースとなるコンセントを散らし、そこへテレビ、AV機器、ダイニング、ソファ、ロボット掃除機、季節家電などを追加します。
わが家でもリビングは、四隅と長い壁の途中へ電源を散らす考え方で計画しました。
テレビ以外にも、
- スマホ充電
- パソコン
- 空気清浄機
- フロアライト
- マッサージ器
- Alexa・Google Nestなどのスマートスピーカー
と、実際に使うものはかなりあります。
フロアライトを置いたり、クリスマスの飾り付けをしたりするときにも、壁の途中にコンセントがあると便利です。
Panasonicのモデルでは、リビング・ダイニングに15か所・30口以上という例もあります。
わが家ではWi-Fiを別の収納へ置き、スマホなどの充電もまとめているので、12か所程度でもかなり使いやすいと思います。
テレビ周りは必要な機器から逆算
テレビ周りは、テレビ本体だけでは終わりません。
わが家が家づくりをしていた当時、テレビ周りで想定していたのは、
- テレビ
- 外付けHDD
- ゲーム機1
- ゲーム機2
- AVアンプ
- ブルーレイレコーダー
- チューナー
でした。
今ならサウンドバーやストリーミング端末などもあります。
わが家では、壁掛けテレビの裏にコンセントを1か所。
さらにテレビ横または下に機器収納ボックスやテレビボードを置き、その中にコンセント2個と情報コンセントを設置する計画にしました。
そして、テレビ裏と機器収納を空配管でつなぎました。
テレビ周りでは、
「何口必要か」
だけでなく、
テレビ本体側とAV機器側をどこで分けるか。
まで考えると、配線をかなりすっきりさせられます。
キッチン|9か所。そして「回路」も見る
キッチンは、家の中でも特にコンセントをケチりたくない場所です。
冷蔵庫、電子レンジ、炊飯器、オーブントースター、電気ケトル、コーヒーメーカー、ミキサー、自動調理鍋、ホームベーカリー、ウォーターサーバー、セカンド冷凍庫。
家電を書き出してみると、簡単に増えます。
Panasonicのモデルでもキッチンは10か所・19口以上です。
わが家のキッチンコンセント
わが家では、背面カウンターの左右にそれぞれ1か所。
さらにカウンター横の壁にも1か所。
合計3か所を配置しました。
当初案ではカウンター中央にもコンセントがありましたが、中央はなくしました。
キッチンの自在棚周辺にもコンセントを配置しました。
わが家の打ち合わせでは、
H1100とH1500
という高さで計画しています。
「挿しっぱなし」と「使うときだけ」を分ける
キッチン家電は、
コンセントへ常時挿しておきたいもの
と、
使うときだけ挿せばいいもの
に分けると必要数を考えやすくなります。
わが家が家づくりをしていたとき、挿しっぱなし候補として考えたのは、
- 炊飯器
- 電子レンジ
- 電気ケトル
- コーヒーメーカー
- ミキサー
- ホームベーカリー
- ジューサー
- オーブントースター
- ウォーターサーバー
- セカンド冷蔵庫・冷凍庫
でした。
一方、
- ハンドミキサー
- フードプロセッサー
- スタンドミキサー
- ヨーグルトメーカー
などは、使うときだけ挿す前提でもよいと考えました。
もちろん使う家電は家庭によって違います。
重要なのは、
「コンセントが何個必要?」と考える前に、自分の家で使う家電を全部書き出すこと。
です。
キッチンは回路も重要
ただし、キッチンだけは、
コンセントが9か所あるから安心、ではありません。
電子レンジ、電気ケトル、トースター、炊飯器などは消費電力が大きい家電です。
わが家の打ち合わせでも、電子レンジは別系統の回路として計画されていました。
当時の打ち合わせでは、子ブレーカーは20Aを超えると落ちるため、実際の運用では余裕を見て使うよう説明を受けました。
例えば、消費電力の大きなドライヤーを2本同時に使う、キッチン家電を同時に何台も動かす、といった使い方では回路側も考える必要があります。
旧図面を検討していた当時は「おおむね14A・1,400W程度を一つの目安に」という説明も受けています。
ただし、これはわが家が打ち合わせをした当時の説明です。
現在の回路設計や使用できる電力は、契約容量、回路、配線、使用家電などによって異なるため、現在建築する場合は必ず担当設計士・電気工事担当者に確認してください。
何個あるか、から何W使うかへ頭を切り替える。
キッチンでは特に重要です。
ダイニング|ホットプレートと充電を忘れない
ダイニングではホットプレートを使うことがあります。
テーブルの近くに電源がないと、結局長い延長コードを引くことになります。
わが家ではダイニングの入口側と奥側にもコンセントを配置しました。
一条工務店のグランセゾンでわが家が打ち合わせをしていた当時、キッチンの反対側にあるオープンキャビネットには、
左1口+右2口の合計3口
のコンセントが付いていました。
当時、ダイニング周りでコンセントを使いそうなものとして考えていたのは、
- ホットプレート
- スマホ
- パソコン
- ウォーターサーバー
- テレビ
などです。
特にオープンキャビネットのコンセントは、
「ここが充電コーナーになりそうだな」
と考えていました。
今ならまさに、家族のスマホやタブレットをまとめて充電する充電ターミナルとして使いやすい場所です。
スタディコーナー|上・机・床の3段で考えた
わが家のスタディコーナーでは、コンセントを高さ方向にも分けて考えました。
最上段には、コンセントとLANケーブルがセットになった情報コンセント。
デスクの高さには、パソコン、スマートフォン、デスクライト用。
さらに床付近にはプリンター用のコンセントを設置しました。
こうしてみると、
コンセントは平面だけでなく、高さ方向にも配置する。
という考え方が分かりやすいと思います。
洗面・ランドリー|6か所程度
洗面所も意外と家電が多い場所です。
わが家が当時想定していたものだけでも、
- ドライヤー
- ヘアアイロン
- 美顔器
- シェーバー充電
- 電動歯ブラシ
- スマホ充電
- 除湿機
- アイロン
- 掃除機
- 置き型照明
- 毛玉取り器の充電
があります。
さらにわが家では、換気用として高い位置にもコンセントを設置しました。
床付近だけを見てコンセントを配置すると、こうした高い位置で使う機器の電源を忘れがちです。
一条工務店の標準洗面台にもコンセントがあった
わが家が一条工務店で打ち合わせをした当時、標準洗面台には合計5か所のコンセントがありました。
場所は、
- ミラー左右に2か所ずつ
- 水栓右上に1か所
です。
一方、当時は洗面台の内部や足元へコンセントを増設することはできないという説明でした。
設備そのものに付いているコンセントも数に入れて、追加分を考える必要があります。
右利きならコンセント位置も右側を意識
わが家では洗面所の追加コンセントを右側に配置しました。
理由は単純です。
右利きで右手にドライヤーを持つのに、コンセントが左側にあると、コードが洗面台の前をぐるっと横切るからです。
コンセントは「何を使うか」だけでなく、「どちらの手で使うか」まで考える。
細かい話ですが、毎日使う場所ほど効いてきます。
収納には「上」と「下」にコンセント
収納も、今では電気を使う場所です。
収納は、物を隠す場所だけではなく、家電を隠す場所。
と考えると分かりやすいです。
上段にはWi-Fiやネットワーク機器。
中段にはスマホ、カメラ、ガジェットなどの充電。
下段にはコードレス掃除機、ロボット掃除機、除湿機など。
わが家ではリビング収納の最上段にWi-Fiを置き、LANと100Vコンセントがセットになった情報コンセントを設置しました。
中段・下段には、
- プリンター
- スマホ充電
- ロボット掃除機
- 掃除機
- カメラ
- 各種ガジェット
などを想定してコンセントを付けています。
WIC・押し入れ・階段下収納にもコンセント
わが家の打ち合わせ当時、ウォークインクローゼットや押し入れにもコンセントを設置できました。
わが家ではWICや階段下収納にも1か所ずつコンセントを計画しました。
階段下収納には照明も付けています。
一方、一条工務店との当時の打ち合わせでは、
ユニットクローゼット(GC品番)の内部にはコンセントを設置できない
という説明でした。
また、わが家では本棚内部にもコンセントを付けたかったのですが、そこも設置できませんでした。
一方、自在棚周辺なら配置できるケースもあります。
「ここには付けられません」
と言われても、
少し横ならどうか。上ならどうか。下ならどうか。隣の壁ならどうか。
と確認してみるのがおすすめです。
Wi-Fiは各階の設置場所に「100V+LAN」
わが家では、階をまたぐWi-Fiだけに頼るのではなく、各階にWi-Fi機器を置いています。
そこでおすすめなのが、Wi-Fi機器を置く場所に、
100Vコンセント+有線LAN。
をセットで用意しておくことです。
わが家ではクローゼット上部を利用しています。
高い棚は日常収納には使いにくい一方、普段触らない通信機器を置くには便利です。
同じ階でもかなり広い家なら、将来アクセスポイントを複数設置できるよう、候補位置を複数用意しておくのもありです。
ロボット掃除機の「帰る場所」も決めておく
忘れやすい代表がロボット掃除機です。
家を建てる段階から、
「ロボット掃除機はどこへ帰るのか?」
を決めておきます。
わが家ではベッド下にもロボット掃除機用の電源を用意しました。
ただし最近は、自動ゴミ収集機や給排水機能などが付き、基地そのものが大きくなっています。
今から作るなら、階段下、廊下収納、クローゼット下部なども候補です。
充電は「1台ずつ」ではなく「充電ターミナル」で考える
スマホ、タブレット、イヤホン、ゲーム機、モバイルバッテリー、カメラ。
家族が多いと、充電するものは簡単に10台を超えます。
わが家ではリビング、ダイニング、玄関周辺などに充電ターミナルを作っています。
IKEAのコード収納ボックスの中にAnkerなどの多ポート充電器を入れ、1か所から複数台を充電します。
100Vコンセント → 交換できる充電器 → 各機器
という構成です。
USB-Cコンセントは、私は積極的にはすすめない
USB-Cを直接挿せる壁コンセントはきれいです。
ACアダプターも減るので、ホテルのようにすっきりします。
そのメリットは分かります。
ただ、私なら家中には採用しません。
理由は、
住宅と充電規格では、寿命が違うから。
以前はUSB-A付きコンセントも新しく見えました。
今では少し古い設備に見えるものもあります。
USB-Cもコネクタ形状が同じでも、対応する充電電力は進化しています。
それなら、
壁は100Vのまま。進化する部分はアダプターに任せる。
方が柔軟です。
もちろん、見た目を最優先するベッドサイドやデスクの一部だけUSB-Cにするのはありだと思います。
テレビ・LAN・電話配線は、コンセントとは少し別に考える
コンセントと同じタイミングで、テレビ、LAN、電話などの情報配線も確認しておきます。
ただし、こちらは「多ければ多いほどいい」わけではありません。
わが家はNetflixやAmazon Prime Videoなどの配信サービスを見ることが多いため、テレビ配線は必要最小限です。
固定電話も、各部屋に電話端子を設ける必要はほとんどないと思います。
使うとしても1か所あれば十分な家庭が多いでしょう。
一方、有線LANで優先したいのは、各階のWi-Fiアクセスポイント・中継機の設置候補です。
ここには有線LANを引いておくことをおすすめします。
オンラインゲーム、トレーディング、大容量データを扱う仕事など、通信の安定性を特に重視する部屋があるなら、書斎などにも有線LANを追加します。
普通のWeb閲覧や動画視聴なら、適切にWi-Fiを設計した家では無線でかなり対応できます。
TV・TEL・LANの最適な配線方法はコンセントとは考え方が少し違うので、別記事で詳しくまとめます。
玄関|シューズウォールの中には付けられなかった
玄関も意外と電源を使います。
最近なら電動自転車、スマートロック関連機器、掃除機、間接照明、スマートフォンなどの充電も考えられます。
わが家の一条工務店との打ち合わせ当時は、
シューズウォール内部にはコンセントを設置できない
という説明でした。
そこで、わが家ではシューズウォールの上側と下側にコンセントを配置する方向で検討しました。
収納の中に付けられなくても、そのすぐ近くへ電源を逃がせることがあります。
階段・踊り場|掃除機用は必要か?
階段の踊り場にもコンセントを付けるか迷いました。
昔なら掃除機用として便利だったと思います。
ただ、今はコードレス掃除機が一般的なので、必須とまではいえません。
一方、
- フロアライト
- フットライト
- 季節の飾り
- 将来の家電
などを考えると、1か所あっても困らない場所です。
こういう「今は明確な用途がないけれど、将来使うかもしれない場所」こそ、新築時には検討しておきたいところです。
季節家電も一度まとめて考える
一年中使うものだけでコンセントを考えると、季節家電を忘れます。
わが家が当時考えていたのは、
- 扇風機
- 加湿器
- 蚊取り器
- クリスマスの飾り付け
などです。
普段何も置かれていない壁でも、夏や冬になるとコンセントが必要になることがあります。
間接照明用コンセントもあると便利
キッチンボードの上、テレビの裏、玄関収納の下。
こうした場所にも電源があると、後からLEDテープライトなどで簡単に間接照明を追加できます。
照明を最初から作り込みすぎなくても、電源だけ用意しておけば後から遊べます。
部屋を全部見たら「家全体」をもう一周する
リビング、寝室、キッチン、洗面。
部屋ごとに全部チェックしても、まだ終わりではありません。
部屋ごとに考えていると、どの部屋にも属さない電源が抜けます。
例えば、
- Wi-Fi
- ロボット掃除機
- コードレス掃除機
- 電動自転車
- EV・PHEV
- 防犯カメラ
- 屋外照明
- 自動散水
- 高圧洗浄機
- 間接照明
などです。
だから部屋別チェックが終わったら、
家全体を「設備」の視点でもう一周。
します。
自転車・自動車の電源も忘れない
電動自転車をどこで充電するか。
今EVに乗っていなくても、20年後はどうか。
家は車よりずっと長く使います。
駐輪場、玄関・SIC、ガレージ、駐車場の電源も考えておきます。
EVについては、今すぐ充電器を取り付けなくても、将来配線しやすいルートや分電盤容量まで検討しておけば選択肢を残せます。
一条工務店のコンセント高さ|標準H300だけで考えない
わが家が一条工務店で打ち合わせをした際、通常コンセントはH=300が基本でした。
これは床からコンセント中心まで300mmという意味です。
冷蔵庫用はH=2000でした。
わが家の打ち合わせ当時は、コンセントの高さ自体は希望に合わせて変更でき、追加費用なしで対応してもらえるという説明でした。
現在の仕様や費用については、担当者へ確認してください。
ただし、コンセントを全部床から30cmに付ける必要はありません。
私は、
低い・中くらい・高い・天井近く
と立体的に考えるのがおすすめです。
床付近には一般家電やロボット掃除機。
デスク高さにはPCや充電。
高い位置にはWi-Fiや間接照明。
天井近くならプロジェクターやカメラなど。
「その機器の電源は、本当に床から取る必要がある?」
と考えてみると、配置の自由度がかなり広がります。
検討したけれど採用しなかったアイデア
エアコンのコンセントを天井に付ける
家づくり中、エアコン用コンセントを天井側へ付ければ、壁面がすっきりするのではないかと考えました。
ただ、わが家の打ち合わせ当時は、一条工務店から安全上の理由で対応できないという説明を受け、採用しませんでした。
施工可否は時期や仕様によって変わる可能性があるので、現在検討している人は担当設計士さんへ確認してください。
トイレのコンセントを便器後ろへ隠す
トイレでは、温水洗浄便座用コンセントを便器の後ろ側へ配置し、できるだけ目立たなくする方法も検討しました。
トイレはコンセントが見えやすい場所なので、位置を少し工夫するだけでも見た目がすっきりします。
ただし、メンテナンス性や施工可否もあるので、便器との干渉を確認する必要があります。
コンセントのデザインより、まず数と位置
家づくり中は、コンセントやスイッチのデザインにも悩みました。
Panasonicのアドバンスシリーズは、表面の質感がさらさらしていて、標準的なスイッチよりかなりすっきりしています。
当時、設計士さんから聞いた感覚では、
「採用する人は20人に一人いるかいないかくらい」
とのことでした。
かなり少数派という印象です。
スイッチによってはアドバンスシリーズを採用できないものもあり、値段も採用する個数によって変わります。
そのため、コンセント・スイッチの数が決まった後に、どこだけ採用するか、いくらになるかを詰めていく方法が現実的です。
また、あまり数は出ないそうですが、JIMBO(神保電器)のスイッチもかっこいいと設計士さんから紹介してもらいました。
ショールームで見ると、
「せっかく注文住宅を建てるなら、ここまでこだわった方がいいかな」
と思います。
わが家も悩みました。
でも実際に暮らしてみると、
コンセントのデザインなんて、ほとんど見ていません。
標準で十分でした。
わが家では角型にしましたが、それくらいでよかったと思っています。
一方、コンセントそのものを増やすのは大変です。
予算に限りがあるなら、私なら優先順位は、
数 → 位置 → 高さ → 回路 → LAN・空配管 → デザイン
です。
見た目は後から変えられる。配線は簡単には変えられない。
一条工務店では、必要数を最初からきちんと入れる
わが家の契約当時、一般コンセントの追加費用は1か所3,100円でした。
最近の施主例では金額に違いもあるので、現在の価格は自分の見積書で確認してください。
ただ、一条工務店では標準で図面に入っている数を見て、それを「適正数」と思い込まない方がいいと思います。
標準から大量に増設するのではありません。必要なコンセントを最初から設計する。
その結果、標準数を大きく超えるのは普通です。
新築時に必要な位置をきちんと拾っておいた方が、完成後に追加するよりはるかに合理的です。
最後のチェック|家の中の「動くもの」を全部動かす
コンセント配置が全部決まったら、最後にもう一つ確認します。
家の中の動くものを、全部動かす。
室内ドアを全部開く。
クローゼット扉を開く。
キッチンの引き出しを全部引く。
洗面台収納を開く。
カップボードを開く。
そして家具を実際の位置へ置く。
その状態でコンセントが使えるか確認します。
ここで忘れてはいけないのが、
プラグを挿せば、壁から数cm飛び出す。
ということです。
図面上ではコンセントプレートしか見えません。
しかし実生活では、そこからプラグが飛び出し、さらにコードが伸びます。
ドアを開けるとプラグに当たる。
引き出しと干渉する。
収納扉にコードが挟まる。
こういう位置はNGです。
図面ではコンセントを見る。最後はプラグとコードまで見る。
コンセント最終チェックリスト
- □ 基本的な居室は四隅を確認した
- □ 電源がまったくない長い壁が残っていない
- □ コンセントを一か所に集中させすぎていない
- □ TV・AV機器用は別に考えた
- □ テレビ裏と機器収納間の空配管を検討した
- □ ベッド左右に電源がある
- □ 寝室入口側にも電源がある
- □ デスク周りに十分な電源がある
- □ デスクは床・机・上部の高さも確認した
- □ キッチン家電を全部書き出した
- □ 常時挿す家電と一時的に使う家電を分けた
- □ キッチンは回路分けも確認した
- □ ダイニングでホットプレート等を使える
- □ 洗面・ランドリー家電を考えた
- □ 洗面所の高い位置の電源を検討した
- □ ドライヤーを使う手とコンセント位置を確認した
- □ 各階のWi-Fi置き場を決めた
- □ Wi-Fi置き場に100V+LANがある
- □ 収納上段の電源を検討した
- □ 収納下段の電源を検討した
- □ WIC・押し入れ・階段下収納を確認した
- □ 収納内部に付けられない場合の代替位置を確認した
- □ ロボット掃除機の帰る場所を決めた
- □ コードレス掃除機の充電場所を決めた
- □ 家族の充電ターミナルを考えた
- □ テレビ裏・キッチンボード上などの間接照明を考えた
- □ 玄関・SICの電源を考えた
- □ 電動自転車の充電場所を考えた
- □ EV・PHEVの将来対応を考えた
- □ 建物前後に屋外コンセントがある
- □ 防犯カメラなど屋外設備を考えた
- □ 季節家電の電源を考えた
- □ ドアを全部開けても干渉しない
- □ 引き出しを全部開けても干渉しない
- □ プラグを挿した状態でも家具や扉と干渉しない
- □ 将来家具を反対側へ動かしても使える
まとめ|コンセント計画の答え合わせは20年後
20年後の家具配置は分かりません。
20年後にどんな家電を使っているのかも分かりません。
子供がどこに住んでいるのか、自分自身がこの家をどう使っているのかも分かりません。
だから、20年後の生活を正確に予想しようとしなくていい。
多めにする。
散らす。
使う場所に足す。
迷ったら「四隅+アドオン」。
120㎡・3LDKなら、必要な場所を普通に拾っていくだけでも65か所程度になります。
70か所、80か所になっても、それだけで付けすぎとは思いません。
そして、一条工務店で実際に家づくりをして分かったのは、コンセント計画には、
「どこに付けるか」だけでなく、「ここには付けられなかった」「こうしようと思ったけれど採用しなかった」
という経験もかなり重要だということです。
図面の小さな記号一つ一つが、完成後には毎日の使い勝手になります。
コンセント計画の答え合わせは20年後。
そして、その20年後は今からは見えません。
未来を当てるのではなく、未来が変わっても困らないようにしておく。
それが、後悔しないコンセント計画だと思います。
参考資料|日本・海外のコンセント計画
この記事では、わが家の経験だけでなく、日本・海外の電気設備基準、住宅設備メーカー、建築士・設計者の考え方も参考にしています。
海外の規格は日本の住宅へそのまま適用するためのものではありません。
「コンセントをどのように分散し、将来の変化へ備えるか」という設計思想を比較するために参照しています。
日本|Panasonic「四隅配置+アドオン」
Panasonic|住宅設計の負担を減らし、満足度を高める「コンセント計画」
Panasonicが実施した住宅ユーザー調査と、「四隅配置+アドオン」の考え方、一級建築士・寳神尚史氏による解説が掲載されています。
アメリカ|International Residential Code
International Code Council|IRC E3901.2.1 Receptacle Spacing
壁沿いのどの位置からもコンセントが遠くなりすぎないよう配置するという、距離を基準にした考え方が参考になります。
フランス|NF C 15-100
寝室、リビング、キッチンなどについて、最低コンセント数や配置、専用回路などを具体的に定めています。
ドイツ|DIN 18015・RAL-RG 678
最低限だけではなく、標準・快適といった設備水準を設定し、将来性を含めて住宅の電気設備を計画する考え方が参考になります。
イギリス|Building Regulations
UK Government|Approved Document P - Electrical safety
UK Government|Approved Document M - Access to and use of buildings
電気設備の安全性だけでなく、スイッチやコンセントを無理なく使える高さ・位置という考え方も参考になります。
韓国|韓国電気設備規程 KEC
韓国では安全、接地、回路、EV充電設備などを中心に住宅電気設備の基準が整備されています。
建築士・設計者の参考資料
Panasonic|一級建築士 寳神尚史氏による「四隅配置+アドオン」の解説
TAKU建築設計|照明・スイッチ・コンセントの位置をチェック
※海外の電気設備基準は、その国・地域の住宅に適用されるもので、日本国内の設計基準としてそのまま適用できるものではありません。本記事ではコンセント計画の考え方を比較するために参照しています。また、一条工務店の価格・標準仕様・施工ルールは、商品、地域、契約時期などによって異なる可能性があります。本文中の「わが家では」「打ち合わせ当時」という記載は、わが家が実際に家づくりをした当時の一次情報です。最新仕様は担当の設計士・営業担当者へ確認してください。
