リビングの短辺で、よく見かけるのが4マスです。
1マスを910mmとする尺モジュールなら、4マスは3,640mm。一般的な木造住宅では納めやすいスパンの範囲にあり、対面キッチンを含むI型LDKとも合わせやすいため、このあたりに落ち着く間取りが多いのだと思います。
ただし、4マスが構造上の絶対的な上限という意味ではありません。工法、梁、上階の間取り、耐力壁、予算によっては4.5マスや5マスもつくれます。
では、4マスは狭いのか。
正直に言えば、私は狭いと思います。広さは、あるならある方がいい。
大きなソファを置ける。家族がすれ違うときに避けなくていい。子どもが遊んでいても通路が残る。来客が増えても椅子を足せる。広い家がくれるのは、何か特別な機能というより、こうした小さなストレスが起きにくい「ゆとり」です。
土地、予算、構造、ほかの部屋とのバランスが許すなら、私はリビングの短辺をできるだけ広げておくことをおすすめします。壁と壁の距離は、完成後に広げられないからです。
一方で、4マスでは生活できないのかといえば、まったくそんなことはありません。
2026年に戸建てを希望する499人へ行われた調査では、希望するリビングの最多帯は「8畳超~10畳」で23.8%、次が「6畳超~8畳」で22.2%でした。平均や実際に建てた家の統計ではなく任意回答のアンケートですが、少なくとも希望する広さとして、8畳前後が珍しいとは言いにくい結果です。
もっと昔まで振り返ると、江戸の庶民が暮らした九尺二間の裏長屋は、約3坪。4.5畳の居間と土間に家族全員が暮らしていました。もちろん、江戸時代と現代の暮らしを同じ基準では比べられません。この話をもって「狭くても十分」と言いたいわけでもありません。
言いたいのは、4マスは生活不能な狭さではない。ただ、広いリビングと比べると、家具や動線に使える余白が少ないということです。
この記事では、短辺3マス、3.5マス、4マス、4.5マス、5マスで気持ちよく暮らしている方のInstagramを集めました。図面の数字だけでは分からない広さ感をつかむ参考にしてみてください。
Instagramの投稿は個人の実例です。同じマス数でも、長辺、窓、天井、家具、動線、家族の人数によって感じ方は変わります。
まずは短辺の寸法を確認
| 短辺 | 芯々寸法 | 正方形なら | 私の見方 |
|---|---|---|---|
| 3マス | 2,730mm | 3×3マス=約4.5帖 | かなりコンパクト。家具と動線の優先順位が必要 |
| 3.5マス | 3,185mm | 3.5×3.5マス=約6.1帖 | 使えるが、4マスとの差45.5cmは体感に出やすい |
| 4マス | 3,640mm | 4×4マス=約8帖 | 標準的。生活できるが、ゆとりは家具次第 |
| 4.5マス | 4,095mm | 4.5×4.5マス=約10.1帖 | 大型家具と通路を両立しやすくなる |
| 5マス | 4,550mm | 5×5マス=約12.5帖 | 家族が集まっても余白を残しやすい |
ここでいう寸法は、基本的に壁や柱の中心から測った芯々寸法です。
家具を置ける内寸は、壁の厚みだけ小さくなります。
我が家では、芯々1,365mmだった1.5マスの通路が、完成後に測ると約1,208mmでした。差は約157mmです。住宅会社や壁の仕様で変わるので、家具を選ぶ前に「完成後の有効内寸」を確認してください。
実例を見るときは、短辺・家具・動線を見る
3マスリビング、4マスリビングの広さの参考になるのがInstagram。
LDK全体の帖数だけでなく、次の3点も見るのがコツです。
- 短辺は何マスか
- ソファ、ローテーブル、テレビボードをどこまで置いているか
- 人が通る場所と、吹き抜け・勾配天井・窓による視線の抜けがどこにあるか
同じ18帖LDKでも、短辺4マス×長辺9マスと、短辺4.5マス×長辺8マスでは使い方が違います。
写真の広角感だけでなく、置いてある家具と残っている床を見てください。
短辺3マスのリビング実例
3マスは芯々2,730mm。
広いとは言えませんが、少人数の家族で家具を絞り、長手方向や隣の空間へ視線が抜ける間取りなら成立します。
3×4.5マス|リビング約6.75帖
収納を多めに設け、すっきり暮らす一条工務店の施主さんです。短辺3マスでも生活感を抑え、「狭すぎず広すぎず心地よい」と感じられている実例。家具の量と色をそろえた落ち着きが素敵です。
3×4マス|リビング約6帖・LDK16帖
16帖LDKで快適に暮らす一条工務店の施主さん。コンパクトな家でも、場所ごとの寸法が整理されていて、家具配置を考えやすいリビングです。「大きくなくても暮らしやすくできる」ことが伝わります。
短辺3.5マスのリビング実例
3.5マスは3,185mm。4マスとの差は455mmですが、この45.5cmがソファ前の余白や通路にそのまま効きます。決して広くはない一方、実際に心地よく暮らしている家もあります。
3.5×4マス|リビング約7帖・LDK19帖
子育て中の施主さんが2年暮らし、「ちょうどよい」と感じている7帖リビングです。ジャングルジム、おままごと、ソファを置いても子どもが動けるよう、空間を上手に使い切っています。将来は遊具を大きなカウチソファへ替える計画も、暮らしの変化を見込んだ使い方として参考になります。
リビング側3.5マス・キッチン側4マス|LDK約18.5帖
収納を重視した一条工務店の施主さん。リビングだけ3.5マスに絞り、キッチン側を4マスに広げたI型LDKです。物を表に出さず、幅が変わる間取りをすっきり見せている点がきれいです。
短辺4マスのリビング実例
4マスは3,640mm。木造住宅でよく見かける、基準にしやすい幅です。
4×4マスならリビング単体で約8帖。長辺を7~10マスへ伸ばせば、14~20帖程度のLD・LDKになります。同じ4マス幅でも、長辺と天井、家具で印象がかなり変わります。
4×4マス|リビング約8帖
4×4マスの正方形リビング。ソファとテレビを素直に向かい合わせやすく、4マス幅の基本形がよく分かります。4.5帖の吹き抜けとデザイン柱が、床面積以上の明るさと縦の広がりをつくっているのも素敵です。
4×4マス|リビング約8帖+DK(投稿表記約12帖)
1階全体の間取りを丁寧に公開する施主さん。4×4マスのリビングだけでなく、投稿で約12帖とされる4×6.5マスのダイニングキッチン、水回りとのつながりまで分かります。部屋単体ではなく、家族の動線ごと想像できる実例です。
4×4マス|「5マスあればよかった」という率直な実例
4×4マスで実際に暮らし、テレビまで5マスあればよかったと感じている施主さん。きれいな成功例だけでなく、4マスのリアルな距離感と改善したい点が分かる貴重な投稿です。同じ寸法でも感じ方が分かれることがよく分かります。
4×7マス|リビングダイニング約14帖
家具のレイアウトを試しながら暮らす施主さん。長手方向へ視線が抜け、丸テーブルとソファの間にも動きがあります。4マス幅でも、家具を壁際へ押し込むだけでなく模様替えを楽しめる好例です。
4×9マス|LDK約18帖・勾配天井
18帖では狭くないかと心配していたものの、暮らしてみると十分だったという平屋の実例です。LDKの半分を勾配天井にし、4マスの横幅に縦方向の開放感を足しています。床を広げる方法とは別ですが、体感を大きく変える設計です。
4×9.5マス|LDK約19帖・大きな家具を優先
大きなソファと幅180cmの6人掛けダイニングテーブルを置く施主さん。広いキッズスペースは残らない一方、置きたかった家具はきちんと置けています。4マス幅では「何を一番大切にするか」を先に決めると満足しやすい、ということが伝わる実例です。
4×10マス|LDK約20帖・最狭通路約90cm
長手を10マスまで伸ばしたI型LDK。最も狭いキッチン横でも約90cmの通路を確保し、実際に狭さを感じていないとのことです。4マス幅でも、長手方向と動線を丁寧に取れば、実用上のゆとりをつくれる例です。
短辺4.5マスのリビング実例
4.5マスは4,095mm。4マスとの差は455mmですが、そのままソファ前や横の通路へ足せるので、体感差は小さくありません。
4.5×8マス|LDK約18帖
床材や家具にもこだわる一条工務店の施主さん。グレーウォールナットを基調にした落ち着いたLDKです。ソファを置かずYogiboを選んでいるため床が広く残り、18帖を軽やかに使っています。幅が増えても家具を詰め込まない、その余白がきれいです。

住宅展示場の4.5マス幅リビングです。大きなL字ソファ、ローテーブル、テレビボードを置いても、人が回り込める床が残っています。
4マスから増えるのは45.5cmだけです。それでも、大きな家具を置いた後に残る余白を見ると、違いははっきりします。
短辺5マスのリビング実例
5マスは4,550mm。ここまでくると、家具を「入るかどうか」だけで選ぶ場面が減り、家族の居場所や模様替えまで考えやすくなります。
もちろん、木造で5マスの無柱空間をつくれるかは、工法、梁、上階、耐力壁、費用次第です。5マスなら自動的に柱が不要になるわけではありません。
5×5マス|リビング約12.5帖・勾配天井
5×5マスの正方形リビング。75型テレビや観葉植物を置いても、家具の周りに床が残っています。正方形のゆとりと勾配天井が合わさった、穏やかで居心地のよい空間です。
5×9マス|LDK約22.5帖・耐力壁あり
5マス幅の開放感がありながら、2マス分の耐力壁もある一条工務店の実例です。構造壁を完全になくすのではなく、空間の区切りとして生かしています。広さと構造を両立させる考え方が参考になります。
5×9.5マス|LDK約23.75帖+小上がり和室
5マス幅のI型LDKに、3×4マスの小上がり和室がつながる実例です。LDKだけでも余裕がありますが、和室がもう一つの居場所になり、家族の過ごし方が自然に広がっています。
5×9マス|計算上約22.5帖・投稿表記23帖
子どもが成長しても家族が集まれる場所にしたい、と広めに設計したLDKです。大型家具を置くためだけでなく、将来もそれぞれが同じ空間で心地よく過ごせるように余白を取る。広いリビングの良さがよく表れています。
結論|4マスは暮らせる。でも、広げられるなら広げたい
4マスは、木造住宅で採用しやすい標準的な幅です。4×4マスなら約8帖。家具と動線を考えれば、十分に生活できます。今回集めた実例にも、4マス幅で気持ちよく暮らしている家がたくさんあります。
ただ、4マスを「広い」とは言いにくい。大きなソファ、ローテーブル、テレビボード、家族の通路を全部求めると、余白は少なくなります。
4.5マス、5マスへ広げると変わるのは、できることの数というより、日々の小さなストレスです。人とぶつからない。家具選びで諦めにくい。子どもが遊んでいても通れる。家族が増えても椅子を足せる。その差は毎日のことなので、長く住むほど効いてきます。
だから私は、土地、予算、構造、ほかの部屋とのバランスが許すなら、短辺をできるだけ広げることをおすすめします。
一方、3マス、3.5マス、4マスになったからといって、家づくりが失敗ということではありません。実例を見ると、家具を選び、収納をつくり、長手方向や天井へ視線を抜くことで、それぞれの広さを気持ちよく使っていることが分かります。
図面の数字だけで決めず、この記事の実例と近い広さの入居宅やモデルハウスを見て、自分と家族がどう感じるかを確かめてみてください。
よくある質問
リビング4マスは何cmですか?
尺モジュールなら、芯々で3,640mmです。ただし壁の内側から内側までの有効内寸は、壁厚の分だけ小さくなります。
4マス×4マスは何帖ですか?
図面上は約8帖です。1マス910mmの正方形を2マスで1帖相当と数えた目安で、実際の畳や不動産広告の畳数とは別です。
4マスは木造住宅の限界ですか?
限界ではありません。4マスは無理なく納めやすい目安の一つですが、4.5マスや5マス以上も工法、梁、上階の間取り、耐力壁などによって実現できます。設計担当者に、柱の有無、梁、費用、上階への影響まで確認してください。
3.5マスでも快適に暮らせますか?
暮らせます。ただし短辺3,185mmから壁厚を引くため、置く家具と通路の優先順位は必要です。今回の実例のように、収納、壁付けソファ、家具を置きすぎないこと、長手方向への視線の抜けがあると使いやすくなります。
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一条工務店を検討中で、まだ展示場のアンケートに記名していない場合は、先に紹介制度の条件だけ確認しておくと安心です。
参考にした資料
各Instagram投稿の確認日は2026年9月9日です。投稿内容は個人の事例であり、地域、工法、商品、仕様、家族構成、家具によって条件は異なります。