一条工務店で間取りを考えるとき、覚えておいた方がいいのが「壁から壁まで、実際に何cm使えるのか」という内寸です。
間取り図では1マスが約91cmでも、実際に使える幅は壁の厚みを引いた分だけ狭くなります。さらに廊下なら幅木、ドアなら枠や引き残し、階段なら手すりなどがあるため、実際の有効幅はもっと小さくなります。
家具をシンデレラフィットさせたいときはもちろん、家具配置を考えながら間取りを作るときにも重要です。
特にマンション暮らしに慣れていると、一条工務店の1マス廊下や室内ドアはかなり狭く感じるかもしれません。
冷蔵庫、ベッド、ソファ、ワードローブ、机などは、「置けるか」だけではなく玄関からその部屋まで運び込めるかまで考えておく必要があります。
我が家も実際に一条工務店の家で暮らしてみて、数cmの違いが思った以上に大きいと感じています。
・1マス=約91cmでも、実際の壁間内寸は76〜78cm台になることがある
・家具は「置けるか」だけでなく「そこまで運べるか」を確認する
・ドアはマス数ではなく、全開時の有効開口を見る
・1マス廊下でも生活できるが、1.5マスあるとかなりゆったりする
・特に家族が多い家には1.5マス廊下もおすすめ
・我が家のリビング入口は1.5マス。これは正解だった
・一条のような高気密・高断熱住宅では、必要のないところまで細かく仕切らない方が暮らしやすいと思う
一条工務店の1マスの内寸は何cm?
一条工務店の基本となるグリッドは1マス約910mmです。
ただし、この910mmはそのまま室内で使える寸法ではありません。
壁の中心を基準にしているため、実際の室内では両側の壁の厚みを差し引く必要があります。
さらに一条工務店は、商品によって建物の構造・壁構成が違います。
グランセゾンとグランスマートは構造の系列が違う
ここは少し分かりにくいところです。
名前を見ると「グラン・セゾン」と「グラン・スマート」が同じ系列にも見えますが、建物の構造で見ると違います。
| 系列 | 主な商品 | 構造 |
|---|---|---|
| セゾン系 | グラン・セゾン、セゾン、セゾンAなど | 「夢の家」モノコック構造/I-HEAD構法 |
| i-smart系 | グラン・スマート、i-smart、i-cubeなど | ツインモノコック構造 |
グラン・スマートは、デザイン面ではグラン・セゾンの良さを取り入れながら、性能・構造面ではi-smart系と考えると分かりやすいです。
そのため、壁間寸法を考える場合も、グラン・スマートはグラン・セゾンではなくi-smart側を参考にする方が実態に近いと考えています。
※一条工務店公式でも、グラン・セゾンは「夢の家」モノコック構造、グラン・スマート・i-smart・i-cubeはツインモノコック構造の対応商品として分類されています。
一条工務店 1マス〜8マスの内寸早見表
我が家の設計資料や一条工務店オーナーの設計・実測例を再確認すると、代表的な目安としては、グラン・セゾンでは1マス約76cm台、i-smart・グラン・スマートでは約78cm前後と考えると分かりやすそうです。
下表は、代表値としてグラン・セゾン76.5cm、i-smart・グラン・スマート77.8cmを基準にし、その後0.5マス増えるごとに45.5cmを加えた計算上の早見表です。
| 幅 | グラン・セゾン 代表的な目安 |
i-smart・グラン・スマート 代表的な目安 |
|---|---|---|
| 1マス | 76.5cm | 77.8cm |
| 1.5マス | 122.0cm | 123.3cm |
| 2マス | 167.5cm | 168.8cm |
| 2.5マス | 213.0cm | 214.3cm |
| 3マス | 258.5cm | 259.8cm |
| 3.5マス | 304.0cm | 305.3cm |
| 4マス | 349.5cm | 350.8cm |
| 4.5マス | 395.0cm | 396.3cm |
| 5マス | 440.5cm | 441.8cm |
| 5.5マス | 486.0cm | 487.3cm |
| 6マス | 531.5cm | 532.8cm |
| 6.5マス | 577.0cm | 578.3cm |
| 7マス | 622.5cm | 623.8cm |
| 7.5マス | 668.0cm | 669.3cm |
| 8マス | 713.5cm | 714.8cm |
例えば、よくある1マス×2マスのトイレなら、グラン・セゾンでは単純計算上、幅約76.5cm、奥行約167.5cmが一つの目安になります。
以前の記事では「1マス広がるごとに91cm増える」と書いていましたが、これは考え方としてそのままです。
0.5マス増えるごとに約45.5cm、1マス増えるごとに約91cm増えていきます。
同じ一条工務店でも、商品、耐力壁・薄壁などの壁種、建具、防火・準耐火などの仕様によって数mm〜1cm程度ずれる場合があります。
防火・準耐火仕様などでは、求められる性能に応じて石膏ボードなどの壁構成が変わる場合もあります。
数mm単位のシンデレラフィットを狙う家具を図面だけで発注するのはおすすめしません。
設計中なら図面上の仕上がり寸法を設計士さんに確認。造作家具なら完成後に実測するのが一番確実です。
一条工務店の廊下幅|1マスは約75cm
グラン・セゾンの我が家の設計時資料では、1マスの通路幅・廊下幅は幅木の端から端まで753mm。
我が家の準耐火仕様では748mmでした。
これは幅木の端から端までの内寸です。壁面そのものではもう少しありますが、床に置く家具や荷物、人が実際に通ることを考えると幅木間の寸法が重要になります。
約75cmというと、人が一人歩くだけなら問題ありません。
ただ、二人がすれ違ったり、荷物を持って歩いたりすると、決して「ゆったりした廊下」ではありません。
廊下は1.5マスあるとかなりゆったりする
スペースに余裕があるなら、廊下を1.5マスにするのもおすすめです。
1マスでも廊下としての機能は果たしますが、1.5マスになると体感はかなり変わります。
家族同士ですれ違いやすい。
子どもと並んで歩きやすい。
洗濯物や荷物を持って歩いても窮屈さが少ない。
そして大型家具を搬入するときにも楽です。
特に家族の人数が多い家では、1.5マス廊下のメリットは大きいと思います。
もちろん廊下を広げれば、その分だけ居室に使える床面積は減ります。
なので小さな家で何でも1.5マスにする必要はありません。
ただ、家族が頻繁に行き来するメイン動線や玄関ホールなどは、少し余裕を持たせると日々の小さなストレスが減ります。
廊下については別記事でも詳しく書いています。
一条の家は、あまり細かく仕切らない方がいいと思う
これは実際に一条工務店の家に住んでみて、かなり強く感じていることです。
高気密・高断熱の家だからといって、家中の空気が勝手に均一になるわけではありません。
もちろん24時間換気による空気の移動はあるはずです。
ただ、ドアを開けただけで二つの部屋が一つの大空間のようになり、冷暖房された空気がどんどん行き来するかというと、少なくとも我が家ではそんな感じではありません。
むしろ驚いたのはこちらです。
かなり強力なサーキュレーターを回しても、キンキンに冷やした部屋の冷気を隣の空間へ十分に送り出すのは意外と難しい。
風そのものは送れます。
でも、隣の部屋全体を元の部屋と同じように冷やすのは別の話です。
「ドアを開けておけば隣室までエアコン1台で何とかなるだろう」と考えるより、空調したい空間を最初からどこまで一続きにしておくのかを間取りの段階で考えた方がいいと思います。
24時間換気で必要な換気経路を確保することと、部屋同士を大きな空間として空調することは同じではありません。
我が家のリビング入口は1.5マス。これは正解だった
我が家では、リビングの入口を1マスではなく1.5マス幅を使った大きな開口にしています。
これは実際に暮らしてみても正解でした。
単純に人が通りやすい。
家族同士ですれ違いやすい。
家具も運びやすい。
廊下からリビングを見たときの視線も抜けます。
そして、空気の行き来を考えても、小さな開口でつなぐより大きく開けられる方がいい。
特にリビングは家の中で一番長い時間を過ごす場所です。
間取りや構造上可能なら、1マスのドアで済ませず、1.5マス程度のスペースを使って大きな有効開口を取ることをおすすめします。
「部屋をたくさん作る」こと自体を一度考え直してみる
もう一つ思うのが、家の中を必要以上に細かく仕切らない方が、一条工務店の家の良さを活かしやすいのではないかということです。
リビング、ダイニング、キッチン、和室、廊下……と、それぞれを壁とドアで細かく区切って使う間取りは昔からあります。
もちろん寝室、子ども部屋、仕事部屋など、音やプライバシーのために仕切った方がいい場所はあります。
キッチンのにおい、テレビや生活音なども、大空間にするほど広がりやすくなります。
なので「壁やドアはない方がいい」という話ではありません。
ただ、仕切る必要がないところまで、とりあえず壁とドアで仕切る必要はないと思います。
壁を作れば、視線も、人の動線も、空気の動きもそこで分断されます。
逆に、大きくつなげられる場所はつなげておくと、同じ床面積でも家がずっと伸びやかに感じます。
「何部屋作れるか」ではなく、「どこまでを一つの空間として使いたいか」。
高気密・高断熱住宅では、そんな視点から間取りを考えてみてもいいと思います。
室内ドアの幅|引き戸・開き戸で有効開口が違う
部屋を仕切る場合も、重要なのは図面上のドア幅ではなく、実際に全開にしたとき何mm通れるかです。
同じ1マスを使うドアでも、開き戸、インセット引き戸、アウトセット引き戸などによって有効開口は微妙に違います。
我が家のグラン・セゾン設計時の室内建具は次のようになっていました。
| 品番 | 建具タイプ | 有効開口 |
|---|---|---|
| G33/G11 | 開き戸 | 657mm |
| G611 | 親子ドア | 1050mm |
| G300/G100 (ガラス入り) |
インセット引き戸 | 775mm |
| G311/G311-1 (ガラス入り) |
インセット引き戸・入隅 | 731mm |
| G787 | - | 562mm |
| G400 | - | 550mm |
| G500 | アウトセット引き戸 | 736mm |
| G800 | 和室用インセット引き戸 オプション表記載なし |
767mm |
我が家の設計時仕様では、1マスのドアとしてはG300/G100の775mmが一番広い有効開口でした。
一方、開き戸のG33/G11は657mm。
同じように1マス分を使っていても、10cm以上違います。
家具の搬入だけでなく、毎日の出入りでもこの差は結構大きいです。
入隅とは片側が壁になっている部分のことです。
また、インセット引き戸は耐力壁となっている壁など、構造上使えない場所があります。
大きな開口を作りたい場所は、間取りが固まってからではなく、早めに設計士さんと相談するのがおすすめです。
開き戸か引き戸か、インセットかアウトセットか、引き残しがどのくらいあるか、枠がどこまで出るかで有効開口は変わります。
また、建築時期によって建具の品番や仕様が変更されている可能性があります。
設計士さんには、「このドアを全開にしたとき、有効開口は何mmですか?」と確認するのがおすすめです。
家具は「置けるか」より「そこまで入るか」が重要
間取りを考えるときは、「ここに冷蔵庫が置ける」「この壁にソファが入る」と設置場所ばかり見てしまいがちです。
でも、その前に確認したいのが搬入経路です。
玄関を通れるか。
廊下を通れるか。
室内ドアを通れるか。
曲がり角で向きを変えられるか。
階段を上がれるか。
キッチン横を通れるか。
冷蔵庫、ベッド、ソファ、ワードローブ、机などの大型家具・家電は、玄関から設置場所までの一番狭い場所で搬入できるサイズが決まります。
キッチン横の通路幅|冷蔵庫を「よっこいしょ」することも
意外と狭いのがキッチン脇の幅です。
大きな冷蔵庫は、キッチン上空を越えて搬入しなければならない例もあります。
冷蔵庫は、キッチンを「よっこいしょ」と越えない限り、基本的には搬入経路の一番狭い部分を通らなければなりません。
我が家の場合、4マス幅の空間に270cmのキッチンを置いたとき、横の壁との通路幅は準耐火仕様で686mmでした。
「冷蔵庫置き場には入るから大丈夫」ではありません。
玄関→廊下→ドア→キッチン横→冷蔵庫置き場まで、一つの搬入ルートとして確認しておくことをおすすめします。
キッチンとカップボードの通路幅については別記事にまとめています。
【グランセゾン・i-smart】一条工務店のキッチン通路幅問題
その他、キッチンを作るときに我が家で検討したことはこちら。
一条工務店の階段の幅
2階へ大型家具を運ぶ場合は、廊下やドア以上に階段がボトルネックになることがあります。
我が家の設計時資料では、ボックス階段の場合、手すりを含めた有効幅は681mm。我が家の準耐火仕様では676mmでした。
手すりを外すと756mm。準耐火仕様では751mm。
オープンステアはボックス階段より広く740mm。手すりを取り外すと815mmでした。準耐火仕様でも同じ幅でした。
ただし、家具搬入では階段の横幅だけを見ればいいわけではありません。
踊り場で家具を回せるか、天井に当たらないか、照明や手すりに当たらないかも確認する必要があります。
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