一条工務店

HUGme・i-smile・i-smile+の違い|100プラン・約4,000プラン・自由設計、どれを選ぶ?

一条工務店で価格を抑えて家を建てようとすると、候補に挙がるのがHUGme(ハグミー)、i-smile(アイ・スマイル)、i-smile+(アイスマイル・プラス)の3商品です。

ところが、この3つの違いは調べてもはっきりしません。「HUGmeが一番安いのは分かるけれど、i-smileにすると何が良くなるのか」「i-smile+はi-smileの豪華版なのか」「どちらも断熱等級6なら、安いHUGmeで十分ではないか」。だいたいこのあたりで止まります。

結論からいうと、この3商品は価格の高い安いで並べるより、間取りの自由度をどこまで買うかで考えると一気に分かりやすくなります。HUGmeは設計士が用意した100プランから選ぶ商品で、i-smileは約4,000プランから選ぶセミオーダー、i-smile+は規格プランでは作れない間取りまで踏み込める商品、という並びです。

つまりこの3つは、性能の階段ではなく自由度の階段です。家に自分を合わせるほど安く、家を自分に合わせるほど高くなります。

結論:100プランに正解があるなら、まずHUGmeから見る

先に私の結論を書いておきます。

HUGmeが向く人は、100プランの中に気に入った間取りがあり、大きな間取り変更が必要なく、不要な設備は付けたくない人です。初期費用を抑えたいなら、かなり合理的な選択になります。

i-smileが向く人は、100プランでは候補が足りないけれど、自由設計までは必要ない人。土地や家族構成に合う選択肢を増やしたい、という動機がはっきりしているケースです。

i-smile+が向く人は、家事動線や収納を自分たちに合わせたい人、土地の形に合わせた間取りが必要な人です。規格プランに生活を合わせたくない、という理由が具体的にある場合に価値が出ます。

まず3商品を一覧で比較

現時点で公開情報から整理できる範囲をまとめると、次のようになります。

HUGme i-smile i-smile+
間取り 100プランから選ぶ 約4,000プランから選ぶ 規格プランでは作れない間取りまで
商品タイプ パターン選択型 セミオーダー 自由度の高い設計型
断熱等級 6(標準仕様) 6(対象商品) 6(対象商品)
全館床暖房 選べる性能(カスタマイズ) 採用事例が多い 採用事例が多い
本体価格 1,490万円~(公式表示) 全国共通価格の公式表示は確認できず 全国共通価格の公式表示は確認できず
最大の魅力 安さ 選択肢の厚み 自由度
最大の制約 間取り 規格プランの枠 価格

注意したいのは、この表のうち公式の商品ページで直接確認できるのはHUGmeの列だということです。i-smile/i-smile+の「約4,000プラン」「自由設計」という説明は、展示場やイベントの案内で使われている表現で、全国共通の商品仕様として公式に掲示されているものではありません。この記事でも、そこは分けて書きます。

違いの中心は「選べる間取りの数」

性能表から入るより、ここから考えたほうが早いです。

HUGme:設計士が用意した100プラン

HUGmeは、一条工務店の設計士があらかじめ用意した100通りのプランから選ぶ商品です。公式サイトでも、設計士がプロの視点で暮らしやすさを追求した100通りのプランを用意している、と説明されています。道路の方向、平屋か2階建てか、部屋数といった条件で候補を絞っていく進め方です。

プラン集の収録内容も、東西道路向け・南道路向け・北道路向けそれぞれに平屋と2階建てが用意される構成になっています。100という数だけ見るとi-smileの約4,000に比べて少なく感じますが、すでに完成した設計を使うから家づくりを大きく規格化できるわけで、これがHUGmeの安さの中身そのものです。

i-smile:約4,000プランから選ぶセミオーダー

i-smileは、約4,000プランから選ぶセミオーダーの商品として案内されています。100と4,000では40倍です。

これは「たくさん選べて楽しい」という話ではありません。土地が先に決まっている場合、道路方向、間口、奥行き、駐車場の取り方、LDKの位置、水回り、階段、部屋数まで条件を重ねていくと、100プランでは残る候補が数個ということが起こります。母数が増えれば、その制約はかなり緩みます。

i-smileの価値は自由設計ではなく、選択肢の厚みだと考えたほうが正確です。

i-smile+:規格プランでは作れない間取りまで

i-smile+は、収納を増やしたい、家事動線にこだわりたい、家族それぞれの居場所をつくりたい、といった規格プランでは実現しにくい要望に応える商品として案内されています。

実際、一条工務店の完成見学会の案内でも、i-smile+で建てた2階建て34坪・3LDK+WICの住宅として、リビングの吹き抜け、3畳分のシューズクローク、回遊動線といった間取りが紹介されています。規格プランの枠から出た設計ができる商品である、という説明とは整合します。

ただし「自由設計」という言葉が、グラン・スマートなどと同じ範囲を指すのかまでは、公開情報だけでは確認できません。ここは後半でもう一度触れます。

断熱等級6は3商品に共通する。でも「同じ家」ではない

ここは誤解が生まれやすいところです。

一条工務店は断熱等級6を全棟標準仕様としており、対象商品タイプにはグラン・スマート、アイ・スマート、アイ・キューブと並んで、アイ・スマイルシリーズとハグミーシリーズの両方が挙げられています。HUGmeの商品ページにも断熱等級6標準仕様の表示があります。

すると当然、「同じ等級6ならHUGmeでいいのでは」と思います。これは半分正しく、半分違います。

断熱等級は住宅全体の性能をひとつの指標で表したもので、同じ等級なら仕様まで同じという意味ではありません。窓、断熱材、断熱厚、構造、設備、暖房方式の組み合わせが違っていても、住宅全体として基準を満たせば同じ等級になります。

しかも等級6は上限ではありません。一条工務店は断熱等級7の標準化も進めていますが、その対象商品はグラン・スマートとアイ・スマートです。等級6は「3商品に共通する土台」であって、一条工務店の最高性能ではない、という位置づけになります。

加えて、公式ページには「地域により対応商品が一部異なる」「建築地やプラン、採用する仕様によっては断熱等級6を満たせない場合がある」という注記もあります。等級6は無条件の保証ではなく、プランと仕様の選び方次第ということです。

だから、正確にはこうなります。

  • HUGmeも断熱等級6という高い基準を確保している
  • ただし仕様、標準装備、設計の自由度はi-smile系と異なる
  • 「安いから性能が悪い」も「同じ等級だから中身も同じ」も、どちらも正しくない

ネットでよく見る「HUGme=価格、i-smile=性能」という整理も、分かりやすい代わりに雑です。見るべきは等級のラベルではなく、HUGmeの標準性能で足りるのか、i-smile側に含まれる仕様が自分に必要なのかのほうです。高額な標準装備は、使う人には得ですが、使わない人には不要な負担になります。

HUGmeは全館床暖房を「買わない」選択ができる

3商品を理解するうえで、ここは価格に直結する大きなポイントです。

HUGmeの公式ページでは、全館床暖房は「選べる性能」として掲載されています。省エネ性や空気環境と並んで、より充実させたい性能をカスタマイズする対象、という扱いです。

つまり、「東京だからエアコン暖房で足りる」「初期費用を抑えたい」という判断で、床暖房を付けないことができます。HUGmeの価格メリットは、この買わない自由にかなりの部分を負っています。

一方、i-smile/i-smile+については、公開されている完成見学会の案内でも全館床暖房を採用した住宅が紹介されており、採用事例は多く見られます。ただし「全国・全契約で床暖房や太陽光が必ず標準」と断定できる公式仕様表は、公開されているWeb上では確認できませんでした。最新の標準仕様は一条工務店に直接確認するのが確実です。

価格差はいくらか

一番知りたいところですが、i-smileとi-smile+については、HUGmeのような全国共通の本体価格が公式サイトに大きく掲示されていません。したがって「HUGmeよりi-smileは必ず○万円高い」とは言えません。建築時期、坪数、地域、仕様で変わります。

参考になるのは、施主が公開している見積もりです。条件つきで読む前提で、いくつか紹介します。

同じ施主がHUGmeとi-smileを比べた例では、同程度の広さで約400万円高いi-smileプランと、約600万円高いi-smileプランが提示されています。ただしこの施主自身が、i-smile側にはトリプルガラス、床暖房、太陽光、蓄電池などが組み込まれていた一方、HUGme側ではそれらが追加になると説明しています。本体対本体の比較ではないということです。

装備水準を近づけた比較もあります。HUGme側に床暖房、太陽光、防犯トリプルガラス樹脂サッシを追加してi-smileに寄せた試算では、30坪前後でHUGmeのほうが約300万円安い、という結果が出ています。これも一施主・特定条件の比較なので全国共通の差額にはできませんが、装備をある程度揃えてもHUGmeの規格化による価格メリットが残るケースがあることは分かります。

ここから言えるのは、価格差の正体は性能の優劣ではない、ということです。HUGme→i-smile→i-smile+と価格が上がる理由を「性能が良くなるから」と考えると話がこじれます。自由度と標準仕様を買っていると考えたほうが実態に近いです。

仮に差額200万円なら、自由設計を買う価値はあるか

考え方を整理するために、単純な試算をしてみます。

同じような仕様で、HUGmeが2,700万円、i-smile+が2,900万円だったとします。差額は200万円。35年ローンで金利を無視して単純に割ると、月あたり約4,800円です。

毎日通る洗面の動線、収納の位置、LDKの形、土地への収まり。これらのために月5,000円弱を払う、と考えることもできます。

逆に、HUGmeの間取りを見て「これで全く問題ない」と思えるなら、その200万円を払う理由はありません。太陽光や外構、家具、あるいは住宅ローンの圧縮に回せます。

自由設計は高いか安いかではなく、自分にとって価値があるかどうかで判断するものです。HUGmeで満足できたのに最初から自由設計を選べば、使わない自由度にお金を払っていたことになります。一方で、100プランに無理やり生活を合わせて100万円節約するのも、私は勧めません。家は長く使います。毎日の動線が合わないなら、100~200万円の差で解決できる場合は十分に検討する価値があります。

土地が決まっている人ほど、i-smile+の価値が上がる

これは価格より先に確認すべきことです。

HUGmeの間取りは100プランです。狭小地、変形地、旗竿地、北側斜線が厳しい土地、間口が狭い土地では、そもそも気に入ったプランを配置できない可能性があります

これは推測ではなく、公式ページにも「法令や地域などの事情により、お選びいただいたプランが建築できない場合があります」「プランによってお選びいただけない設備仕様などがあります」という注記があります。

この場合、「HUGmeが安い」という比較自体が意味を失います。建てられないからです。だから土地を持っている人は、価格より先にそのHUGmeプランがこの土地に入るかを確認してください。

逆に、土地をまだ買っていないなら順番を入れ替えられます。先に「このHUGmeプランが好き」を決めて、そのプランがきれいに収まる土地を探す。自由設計は「土地を買う→家を合わせる」ですが、HUGmeなら「好きな家を決める→家に合う土地を探す」ができます。HUGmeを最大限安く使うなら、こちらのほうが相性は良いはずです。

実際、一条工務店の公式サイトに掲載されているHUGmeオーナーの声にも、希望の土地に出会えたものの自由設計だと予算オーバーになり、コストパフォーマンスに優れたHUGmeで両方を諦めずに済んだ、という事例が紹介されています。土地と家のどちらを先に固定するかで、選ぶべき商品は変わります。

HUGmeにオプションを盛るなら、i-smileに上げるべき?

よく出る疑問です。HUGmeに全館床暖房、トリプル窓、太陽光、蓄電池を追加すれば、いわゆる一条らしい仕様に近づきます。そこまで付けるならi-smileのほうが得ではないか、という話になります。

結論は、一律には決められません

前述のとおり、装備を近づけてもHUGmeが約300万円安かった公開事例があります。一方で、条件によっては差が縮まることもあります。「オプション○万円を超えたら自動的にi-smile」という損益分岐点は存在しません。坪数、プラン、太陽光の容量、建築時期で変わるからです。

一番正しい比較方法は、同条件で3つ見積もること

ここまで読んで結局分からない、となるのが普通です。なので、比較の方法だけははっきり決めておきます。

同じ土地・同じ広さ・できるだけ同じ仕様で、HUGme、i-smile、i-smile+の3商品を見積もってくださいと依頼することです。

揃えるべき項目は、床暖房の有無、太陽光の容量、蓄電池、窓の仕様、キッチン、食洗機、カップボードあたり。そのうえで、商品名ではなく最終金額と間取りを見る。これが一番早くて確実です。

選び方をフローチャートにすると

判断の順番は単純です。

  1. HUGmeの100プランの中に満足できる間取りがあるか → あるならHUGmeを第一候補に
  2. なければ、i-smileの約4,000プランなら見つかるか → 見つかるならi-smile
  3. それでも合わなければ、一条で自由に間取りを作りたいか → i-smile+

各段階で、「上の商品にするための差額を払う価値があるか」を必ず言葉にしてください。

希望から引くなら、この対応でだいたい足ります。

希望 選びやすい商品
間取りにほぼこだわらない HUGme
とにかく価格優先 HUGme
床暖房なしも検討したい HUGme
100プランでは候補が少ない i-smile
規格住宅の合理性が好き HUGme/i-smile
土地の形に合わせたい i-smile+
家事動線を自分で作りたい i-smile+
自由設計が家づくりの条件 i-smile+

私なら、安い方から順番に上げていきます。最初からi-smile+で間取りを考えるのではなく、HUGmeの100プランを全部見て、合わなければi-smile、それでも土地や生活に合わなければi-smile+、という順です。

なお、HUGmeの100プランがどういう構成になっているか(平屋と2階建ての比率、坪数、3LDKと4LDKの分布、道路方向)は、別記事で全件をデータ化して分析します。

関連記事:一条工務店HUGme全100プランを分析|平屋・30坪・3LDK・4LDK

「i-smile+は本当に自由設計?」は契約前に確認したい

ここは曖昧にしたくないので書いておきます。

i-smile+は、規格プランでは実現できなかった間取りが可能な商品として案内されています。一方で、一条工務店の採用サイトには、i-smile+をセミオーダーながら間取り変更が可能な半規格型住宅と説明する記述も残っています。

情報の更新時期や説明の対象が違うだけとも考えられますが、公開情報だけでは、グラン・スマートなどと同じ範囲で何でも設計できるのかまでは断定できません。しかも、i-smileの「約4,000プラン」もi-smile+の「自由設計」も、出所は展示場やイベントの案内で、全国共通の商品仕様として掲示されているものではありません。

ですから、こだわりたい項目がある人は契約前に確認してください。具体的には、構造上動かせない壁の有無、窓の制約、設備の選択範囲、外観、そして間取り変更が認められる範囲です。私はここを曖昧にしたまま「完全自由設計」とは書きません。

まとめ:3商品は自由度の階段

最後に整理します。

HUGmeは100プランから選ぶ商品です。最も規格化されていて価格を抑えやすく、全館床暖房などを必要に応じて選べます。100プランの中に自分の正解がある人には、とても強い選択肢です。

i-smileは約4,000プランから選ぶセミオーダーです。HUGmeでは土地や間取りが合わないけれど、自由設計までは必要ない人に向きます。

**i-smile+**は、規格プランでは作れない間取りや家事動線、収納をつくりたい人向けです。ただし自由度の具体的な範囲は、公開情報と過去資料で表現に差があるため、希望する変更が可能かどうかは事前確認が必要です。

そして3商品に共通するのが、断熱等級6の対象商品であることです。だからこれは「安い家→普通の家→高性能な家」という階段ではありません。100プランに自分を合わせるか、約4,000プランから探すか、家を自分に合わせるか。自由度の階段です。

私なら、まずHUGmeの100プランを徹底的に見ます。そこで満足できる家が見つかればHUGme、見つからなければi-smile、それでも生活や土地に合わなければi-smile+。安い商品から順に検討して、何のために上位商品へお金を払うのかを明確にする。これが3商品の一番合理的な選び方だと思います。

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