今回は、一条工務店の家に最適なWi-Fi解決策、特にメッシュWi-Fiシステムについて詳しく解説します。私の家も一条工務店で建てられた3階建ての住宅で、床には床暖房用のアルミパネルが敷かれています。このアルミパネルがWi-Fiの電波を強く遮るため、特に異なる階間でのインターネット接続が途切れがちになってしまいます。そこで、私はメッシュWi-Fiシステムの導入を決め、現在では家中どこでも快適にインターネットを楽しんでいます。
目次
一条工務店の家ではWi-Fiが通りにくいのはなぜ?
一条工務店の家は、その高い気密性と断熱性でとても快適なんですが、これがWi-Fi信号には逆効果となることがあります。特に、床暖房用のアルミパネルは、Wi-Fi信号を強く遮ります。アルミは電波を反射する特性があるため、信号が通りにくくなるのです。
特に、2階建てやそれ以上の階数を持つ一条工務店の家では、各階間での信号の減衰が問題になります。
そこで、次に紹介するメッシュWi-Fiシステムとバックホール接続が、この問題を解決する鍵となります。
メッシュWi-Fiとバックホール接続が大切
一条工務店の家は、その高い気密性と断熱性からWi-Fi信号が届きにくい環境です。特に、床暖房用のアルミパネルが電波を遮るため、階間の通信が困難になります。ここで、メッシュWi-Fiシステムとバックホール接続が非常に重要になります。
メッシュWi-Fiシステムとは?
メッシュWi-Fiシステムは、複数のルーター(ノード)を使って一つの大きなネットワークを形成する技術です。わかりやすく言うと、2階のルーターを親機に決めて、1階と3階に子機のルーターを置くWi-Fiシステムです。親機・子機が網目のように無線LANネットワークを作る通信形態で、通常の無線LANルーターが1台でエリアをカバーするのに対し、メッシュWi-Fiでは複数台でエリアをカバーします。子機を増やしても通信処理の負荷を分散できるため、通信速度が低下しにくくなります。
従来のWi-Fiシステムでは、1台のルーターが家中のスマホやプリンター等のデバイスに信号を送りますが、メッシュWi-Fiでは各ルーターが互いに連携して信号を拡散させます。これにより、1台のルーターだけではカバーしきれない広範囲や障害物の多いエリアにも、均等に強力なWi-Fi信号を届けることが可能になります。
例えば、家の端にある部屋や上下階にある部屋では、通常のルーターでは信号が弱くなりがちです。しかし、メッシュWi-Fiシステムでは各ルーターが自動的に最適なルートを選び、途切れない接続を提供します。これにより、家のどこにいても安定したインターネット接続が得られます。
バックホール接続とは?
バックホール接続とは、各ルーター間を無線や有線LANで接続することを指します。通常、メッシュWi-Fiシステムは無線でノード間通信を行います。ただし、無線でバックホール接続をする場合、一条の家では床暖房用のアルミパネルが電波を遮るため、階をまたいだ通信が不安定になることもあります。
この解決方法は2つ。一つは、Wi-Fi 7のように複数の無線帯域を束ねてバックホールに使う機種を導入すること、もう一つは、有線LANによりルーター間の通信を有線接続にすることです。いずれの方法でもルーター間のデータ転送速度を大幅に向上させ、メッシュWi-Fiシステム全体のネットワークパフォーマンスを大きく安定させることができますが、特に各ルーター間を有線LANケーブルで直接接続することで、アルミパネルなどの物理的な障害物に電波が阻害されることなく、高速かつ安定した通信が可能になります。
これにより、例えば1階のトイレから3階の寝室まで、家のどの部分でも高速で安定したインターネット接続を享受できるようになります。
メッシュWi-Fiとバックホールの注意点
新築前であれば、有線LANを壁の中を這わせてキレイに通すことができますが、新築後は有線LANを敷設するのはかなり大変なので、新築時に設計士さんとよく相談しておくことをお勧めします。
建築後の家にお住まいで有線LANの宅内配線がない場合は、Wifi7を使ったメッシュWi-Fiルータがおすすめです。
新築時の注意点
一条の家の場合、通常、情報ボックスに外部からの光ケーブルの取り出し口を作りメッシュWi-Fiの親機を設置します。情報ボックスと各階の有線LANの取り出し口を有線LANで結び、各フロアにメッシュWi-Fiの子機を設置することになると思います。
例えば、3階建てであれば、2階に情報コンセントを置いて、有線LANのハブの中心にして、2階の情報コンセントから、1階や3階のマルチメディアコンセントに有線LANを結んでいく形です。
また、各階を結ぶ有線LANケーブルは、通常のものではなく、10GbEの高速通信に対応したカテゴリー6Aという規格にしておきましょう。普通の規格の1GbEでも十分ではないかという意見もあると思いますが、一度敷設した有線LANケーブルは取り替えることがかなり困難で費用もかさむため、10年後、20年後のことを考えてカテゴリー6Aを通しておくと良いでしょう。
参考: 一条工務店 LANケーブルをCAT5eからCAT6A対応10Gbpsに変える
その他、細かいアドバイスとしては、無線ルーターの設置場所にも気を配るといいと思います。
我が家では無線ルーターを目立たせたくないので、キャビネットの中や棚の上に置いています。
一条工務店の本棚にはコンセントを設置することができませんが、自在棚の壁にはマルチメディアコンセントを設置することができます。押し入れやクローゼットの中にもマルチメディアコンセントを設置することができます。また、無線ルーターは一度設置したらほとんど使わないため、高いところに置いておいた方が電波の届きが良いので、高い場所に設置できるように、マルチメディアコンセントの設置位置も棚の上にしておくことをお勧めします。
各階の真ん中に置くのが理想かもしれませんが、端に置いたとしても、各階100平米ぐらいの広さであっても十分通信はできるので、部屋の真ん中に置くか端に置くかそこまでこだわる必要もないかとは思います。
ただし、不安な方は、複数箇所にマルチメディアコンセントをつけておくと良いでしょう。
まとめ設計士さん用打合せメモ
設計士さん用に打ち合わせメモを作りました。設計士さんとの打ち合わせの際に、このページをそのまま見せていただいても結構ですし、メモの部分を抜粋して渡してもOKです。
- 情報ボックスにプロバイダーの光回線端末とメッシュWi-Fi親機を設置
- 各階に有線LANの取り出し口 (マルチメディアコンセント)を設置
- 各階の有線LANの取り出し口にメッシュWifi子機を置くので置き場所を確保
- できれば各階の有線LANは10GbEのカテゴリー6A規格とすることが望ましい
新築後の注意点
一条工務店の家に住んでいて、無線LANの速度に不満がある場合、次の対処方法があります。
- Wifi7に対応したメッシュWi-Fiを導入する。複数の帯域を使って通信ができるので、そうでないものよりも通信速度が速くなります。
- プロバイダーの乗り換え。1GbEのサービスより2GbEや10GbEのサービスに乗り換えると通信速度が速くなります。
どの会社の機種がおすすめか?
メッシュWi-Fiシステムを提供している会社は数多くありますが、私のおすすめはTP-LinkのDecoシリーズです。
理由は①設置の簡単さ、②Wi-Fi 7や有線LANのバックホールに対応していることです。
メッシュWi-Fiの設定はスマホアプリの指示通りにするだけで数分で完了します。稼働状況もアプリで確認することができるので、ネットワークの設定に詳しくない人でも直感的に操作できます。
値段も他メーカーのものと同等か安いぐらいなので、とにかくこれを選んでおけば間違いないと思います。
機能的にも充実していて、200台程度の端末を同時に使うことが可能です。無線LANには接続可能台数がありますが、ここまで多くの接続台数があるものは多くありません。
また、親機の入れ替えや、メッシュWi-Fiの追加もDecoブランドの機種であれば、アプリで簡単にできるので、将来的な入れ替えも簡単なところがおすすめポイントです。とりあえず、安い機種でメッシュWi-Fiを作って、数年してWi-Fi 7が安くなってきたら追加や買い替えるといった使い方ができます。
過去のWi-Fiスピード実例
GoogleやNetflixなどの速度測定サービスを使ってインターネットの接続スピードを計ってみました。
- 現在の回線はNURO光の10G。これにメッシュWi-FiルーターはDeco BE65を使ってつないでいます。
実測値はメッシュWi-Fiルーターの近くで測るのと、少し離れて測るのではだいぶ速度が違います。
例えば、近くで測ると1.8Gぐらい出ますが、キャビネットの蓋を閉めて5メートルぐらい離れたソファで測ると1.2Gぐらいになります。 - Deco BE65にする前はXE75を使っていましたが、NURO光の10Gでも速度は800Mぐらい。これも同じソファでの計測
- NURO光の10Gにする前は楽天光を使っていました。楽天ひかりの時はIPv6に変えてからが500M弱、IPv4の時で200弱といったところでした。メッシュWi-FiルーターはXE75です。これも同じソファでの計測になります。
楽天光 IPv4とIPv6
どれぐらいの速度が必要か?
利用シーンごとの通信速度を見ても、4K動画ストリーミングでも必要な速度は25 Mbps以上となっているので、200Mbpsもあれば十分です。
利用シーン | 倍速 | データ転送速度(Mbps) |
---|---|---|
CD-ROM | ||
1x | 1x | 1.2 Mbps |
24x | 24x | 28.8 Mbps |
DVD-ROM | ||
1x | 1x | 11.08 Mbps |
16x | 16x | 177.28 Mbps |
Blu-ray Disc | ||
1x | 1x | 36 Mbps |
6x | 6x | 216 Mbps |
12x | 12x | 432 Mbps |
インターネット利用シーン | ||
標準画質(SD)動画ストリーミング | 3~4 Mbps | |
高画質(HD)動画ストリーミング | 5~8 Mbps | |
4K動画ストリーミング | 25 Mbps以上 | |
オンラインゲーム | 3~6 Mbps | |
ビデオ会議 | 2~4 Mbps | |
Netflix推奨速度 https://help.netflix.com/ja/node/306 | ||
高画質(HD) | 720p | 3 Mbps以上 |
フルHD(FHD) | 1080p | 5 Mbps以上 |
超高画質(UHD) | 4K | 15 Mbps以上 |
まとめ
メッシュWi-Fiシステムと有線LANでのバックホール接続の組み合わせは、一条工務店の家のような特殊な住宅にとって、最適な解決策になります。一条工務店の家でも、家中どこでも快適なデジタルライフをお楽しみください!
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