Sony α6500の評価とレビュー α6300 からの進化点
2016年の12月2日に発売されたα6500。2017年1月現在納期2カ月待ちの人気でしたが、品不足もだいぶ解消されてきました。コンパクトなボディに上級機種のα7シリーズでもできない高速連写性能とAFの追従性が搭載されていて、画質の良いセンサーに手振れ補正が搭載と、機能満載のミラーレスカメラです。
前機種α6300からあまり変わっていないように見えるけど、最新鋭機α6500はなにが変わったのか?
目次
ミラーレスカメラ
我が家は写真が大好きで、カメラはコンパクトデジカメも入れれば数台あります。このブログの写真は、フルサイズ機のEOS 5D Mark3やMark2、それからミラーレスのOlympusのOM Dでとったものです。
EOS 5D Mark3はフルサイズ機だけあって画質が良いのですが、旅行に行く時やちょっとしたお出かけに持って行くのには大きくて重いので、大体はミラーレスカメラになってしまいます。
フルサイズ機のEOS 5D Mark3は本体とレンズを合わせると軽く1kgを越えてしまいます。交換レンズを持って行くとなると2kgではすみません。なので、ちょっとしたスナップや旅行やお出かけでの撮影は「ミラーレスカメラで、ま、いっか」となってしまうんですよね。
普段、スマホやコンパクトデジカメを使っているけど、もっときれいな写真が撮りたいなって人には、運動会で子供の走っている姿をバチット止めたいとかいう用途でない限りはミラーレスで十分だと思います。
ミラーレスカメラで我が家が使っているOM Dの良い所は、軽い所、強力な手振れ補正機能、防塵防滴機能。軽くて手持ちでぶれずに撮影できるし、雨とか雪とか埃も気にせず外に持ち出せるのでお出かけカメラとしては本当に便利です。意外と可動式のモニターも便利です。OM Dに欠けている所は、GPSがついていないところぐらいで、旅行やお出かけ用のカメラとしては最適だと思います。
Sonyのミラーレスカメラ
ミラーレスはオリンパスをつかっていますが、ビデオカメラやアクションカメラ、コンパクトデジカメはソニー製品です。
フォーサースより大きな画素を使うSonyのミラーレスも実は前から気になっていました。
Sonyのミラーレスカメラの種類
ソニーはフルサイズとAPS-Cの二つの画素サイズでミラーレスカメラを展開している面白い会社です。
キャノンやニコンなどの昔からのフィルムカメラのメーカーと違い、歴史が浅い分、こうしたチャレンジが出来るのかと思います。
ソニーのミラーレス機の良さは持ち運びがしやすいコンパクトさと軽さと同時にセンサーが大きいものを使っていることが良さです。
その他、レンズも旧コニカミノルタに由来するA-mountとE-mountの2つのマウントを持っているのですが、ミラーレスは、E-mountになります。
歴史とモデルバリエーション
ソニーのミラーレス機の歴史はAPS-C機から始まります。2010年6月3日にNEX-3を6月10日にNEX-5を発売。
ミラーレス機としてはオリンパス・パナソニックを第一世代とすると、第二世代に開発してきたメーカーです。
Sony α6500の登場で、Sony のミラーレスは、フルサイズ機のα7 、APS-C機の上位機種 α6000シリーズ(α6500、α6300、α6000)同じくAPS-C機のエントリーのα5000シリーズ(α5100)という構成になります。
尚、α6500の発表とほぼ同時期にA-mountのハイエンド機種のα99IIも発表されています。
Sonyのミラーレスカメラは人気? 不人気?
Sonyのミラーレスカメラは若い女性向け(Olympus)というよりも、スペックをより重視した男性向け、家族向けという印象です。
オリンパスやパナソニックに比べるとミラーレス一眼のメーカーとしては後発の部類に入りますが、世界最大のシェアを持つ画素センサーメーカーの立場を活かして他社よりもいち早く最先端の画素センサーが搭載されているほか、ミラーレス機としては動体捕捉能力(とりわけAFの対応力)つまり高速なピント合わせの能力はかなり高いです。発売される新機種は、連写性能やAFの追従性能、測距点のポイント数など、技術の出し惜しみはせずソニーがその時点で持つ技術を最大限に詰め込んでいます。
時として熱暴走を起こすなど、不安定な面もあるのですが、新しい技術を積極的に取り込んでいくのがソニーの製品です。
Sonyのミラーレスカメラは、この高速なAFと扱いやすい大きさ・軽さ、そして手ごろな値段でそこそこ売れています。
Sony α6500
北米でSonyより発表され、Sonyホームページ上でもSony α6500が公開されています。
http://www.sony.com/electronics/interchangeable-lens-cameras/ilce-6500
2016年3月11日にα6300が出されたと思ったら、α6500がでてびっくりです。α6500はα6300の上位機種という扱いになり併売されるそうです。
Sony α6500とα6300の大きな違い
Sony α6500とα6300の大きな違いは、これまでソニーのミラーレス機には上級モデルにしか搭載されていなかったボディ内5軸手ブレ補正機能がα6500に搭載された事。
α6300とα6500はこの機能の有無で、全くの別物のカメラに進化しました。
手振れ補正機能は使った人しか分からないと思うのですが、三脚撮影をしたくなる望遠や夜景など厳しい状況でも手振れを気にせず、手持ちでとれるので凄い便利です。
感度を上げて画質を犠牲にすることがなく、暗くて光が少ない状況でも早いシャッタースピードで撮影できるので、手振れも被写体ぶれも抑えることが出来ます。
普通のスナップ写真も手振れが少なく取れるので三脚を使わなくても描写がくっきりして一段キレイに撮れます。
ボディ内5軸手ブレ補正機能は元々はオリンパスの技術だったのですが、2012年のオリンパスとソニーの資本提携によってソニーのカメラにも搭載されるのでは?と噂されていた機能です。
APS機にはα6500から初めて投入されます。手振れを気にせずスナップがパシャパシャとれるようになるので、これは良いですよ~。
資本提携から実際にAPS機に投入されるのには4年。4年越しの実現です。
私はいままで、ミラーレスはオリンパスのものを使っていましたが、こちらに乗り換えようか、悩んでいます。
ただし気になるのは信頼性。ここはイメージの部分も入ってしまうのですが、ソニーの製品は、スペックはいいのですが、信頼性に少し目をつぶっているキライもあります。
信頼性なら、Olympus OM-D EM1 Mark IIの方が良いかも。
Sony α6500 主要機能
- APS-Cクラス最高画質を誇る Exmor CMOSイメージセンサー (画素数は有効画素数2420万画素。技術的にはこの辺で頭打ちですね。十分だと思います。)
- 約5段分の補正効果を持つボディ内5軸手ブレ補正機能搭載 (ソニーとの資本提携によりオリンパスの技術がソニーのデジカメで活かされています。永久磁石を鉄のフレームの間に挟み込み、電源OFF時も含めてセンサーが常にフローティングするというものすごい技術を使っています。)
- タッチスクリーン式チルト稼働液晶モニター (チルトモニターは便利ですよね。タッチスクリーン式のモニターになったのもα6500からです。)
- ファインダーを覗きながら測距点を変更することが可能なタッチパッドAF機能搭載 (最近のはやりのタッチパッドAFも搭載されています。測距点が多いのでタッチパネルは便利です。)
- 世界最速0.05秒のAF
- AF追随約11コマ/秒の高速連写(ライブビュー表示モード時約8コマ/秒)
- 4K(3840×2160)動画記録 (これは便利!)
- シャッター耐久約20万回 (プロ仕様ですね)
- マグネシウム合金ボディ (ソニーらしい仕上がり)
- NFC対応Wi-Fi機能搭載 (これはあまり使わないかな)
- スマートフォンアプリを利用しての位置情報の取得に対応 (GPSを付けてくれた方が便利なんですがね。。)
- 外形寸法(横×高×奥行):約120.0×66.9×53.3mm
- 質量:453g(CIPA準拠 バッテリーとMEMORY STICK PRO DUO を含む)
アメリカでの価格は$1,400なので日本では実売大体15万円程度ではないでしょうか?
α6300に比べて順当に機能アップされました。繰り返しますが、中でも注目はボディ内5軸手ブレ補正機能です。
α6500 作例
α6500 サンプル写真
動きの速い個体もしっかり摂れています。解像度もすごい。
α6500 4K撮影 サンプル動画
α6500 で撮影された4K動画。とても綺麗ですね。
Sony α6500とα6300の比較
Sony α6300からα6500への変更点
上述したようにα6500とα6300の違いは、5軸ボディ内手ブレ補正の追加が目玉です。効果は5段分という強力な性能。これは使った人しか分かりにくくて、ソニーがこの点をうまく訴求できるか心配ですが、使ってみるとかなり良いですよ!その他のα6500とα6300の違いもまとめます。
- 外観・サイズはほぼ同じ。ただし、α6300の重量約404gに対しα6500は453gと重量は49g増加。(バッテリーとメモリーカードを含めた重量での比較)
- 5軸ボディ内手ブレ補正の追加。これはすごいですよ。
- タッチパネル搭載。最近のトレンドですね。測距点が多いのでセレクターで合わせるのはかなり面倒でした。タッチパネル搭載でα6300の面倒から解放されます。
- Bluetooth対応。うーん。これは便利なのかどうか分かりません。
- α6300は常用ISO 100~25600でしたが、α6500は常用ISOで100~51200を実現。ただし、「常用」というのはメーカーによって異なりますからね。
- 307枚の連続撮影が可能(!!)となった。バッファメモリが増量したことの恩恵です。
α6500の熱問題は?
α6300(というか歴代ソニーの小型デジカメ)では長時間の動画撮影時に本体が過熱し動作を停止してしまういわゆる熱問題が取りざたされていました。
α6500では温度センサーを設定により切ることによりこの点が改良されたとの話がありますが、どの程度改良されたかはまだレビューが無いのでなんとも言えませんが、動画撮影をメインに考えている方は考慮しておいた方が良いポイントです。
ミラーレスカメラ 主要機種 対比表
Sony α6500を検討している人用に、現在販売されているSonyのミラーレスカメラとの性能対比表を作ってみました。
参考にしてください。
α99 II ILCA-99M2 | α6300 ILCE-6300 | α7 II ILCE-7M2K | α6000 ILCE-6000L | α5100 ILCE-5100L | α5000 ILCE-5000L | OM-D E-M5 Mark II | OM-D E-M5 | OM-D E-M10 Mark II (中位機種) | OLYMPUS PEN Lite E-PL7(初心者向け) | EOS M5 (中位機種) | EOS M3 (初心者向け) | |
実績価格 (Body) | 377990 | 110000 | 150753 | 85037 | 販売終了 | 57500 | 47800 | 46200 | ||||
発売年 | 2016年11月 | 2016年3月 | 2015年3月 | 2014年3月 | 2014年9月 | 2014年2月 | 2015年2月 | 2012年3月 | 2015年8月 | 2014年9月 | 2016年11月下旬 | 2015年2月 |
センサー | 4360 万画素 | 2500 万画素 | 2470 万画素 | 2470 万画素 | 2470 万画素 | 2040 万画素 | 約1720万画素 フォーサーズ | 約1685万画素 フォーサーズ | 約1720万画素 フォーサーズ | 約1720万画素 フォーサーズ | 約2470万画素 APS-C | 約2470万画素 APS-C |
手振れ防止 | なし | なし | なし | あり | あり | あり | あり | なし | なし | |||
ISO感度(静止画時) | 標準:ISO100~25600 | 標準:ISO100~25600 | 標準:ISO100~25600 | 標準:ISO100~25600 | 標準:ISO100~25600 | 標準:ISO100~16000 | 標準:ISO100~1600 | 標準:ISO100~1600 | 標準:ISO100~1600 | 標準:ISO100~1600 | 標準:ISO100~25600 | 標準:ISO100~12800 |
コマ速/秒(約) | 12 コマ/秒 | 11 コマ/秒 | 5 コマ/秒 | 11 コマ/秒 | 6 コマ/秒 | 3.5 コマ/秒 | 10 コマ/秒 | 9 コマ/秒 | 8.5 コマ/秒 | 8 コマ/秒 | 最高約7コマ/秒(AF追従)、最高約9コマ/秒(AF固定) | 4.2 コマ/秒 |
AF | ハイブリッドCMOS AF III | |||||||||||
液晶 | 3インチ122.88万ドット | 3インチ92.16万ドット | 3インチ122.88万ドット | 3インチ92.16万ドット | 3インチ92.16万ドット | 3インチ46.08万ドット | 3インチ 104万ドット | 3インチ61万ドット | 3インチ 104万ドット | 3インチ 104万ドット | ワイド3.2型(3:2)約162万ドット | 3インチ 104万ドット |
防水防塵 | ○ | ○ | ○ | なし | なし | なし | ○ | ○ | なし | なし | なし | なし |
GPS | なし | なし | なし | なし | なし | なし | なし | なし | なし | なし | なし | なし |
Wi-Fi | あり | あり | あり | あり | あり | あり | あり | なし | あり | あり | あり | あり |
NFC | あり | あり | あり | あり | あり | あり | なし | なし | なし | なし | あり | あり |
重さ(CIPA基準) | 770 g | 361 g | 556 g | 285 g | 224 g | 210 g | 417 g | 373 g | 342 g | 309 g | 427 g | 319 g |
動画対応 | 4K(3840x2160) | 4K(3840x2160) | フルHD(1920x1080) | フルHD(1920x1080) | フルHD(1920x1080) | フルHD(1920x1080) | フルHD(1920x1080) | フルHD(1920x1080) | フルHD(1920x1080) | フルHD(1920x1080) | フルHD(1920x1080) | フルHD(1920x1080) |
余談 GPS付カメラ
GPSはコンパクトカメラには付いているのですが、ミラーレス機にはほとんどついていないんですよね。
α6500にも残念ながらGPSはついていません。
GPSがついているミラーレスデジカメは、Nikonの防水対応のカメラぐらいです。
GPSがついていると写真の検索に便利なんですけどね。
Sony α6500はこんな人におすすめ
恐らく、この記事を見ている方は、Sony α6500に興味がある方だと思います。
このカメラの良い所は、強力な手振れ補正、そこそこの軽さとコンパクトさ、防水防滴で雨の中も平気、4Kも撮れるしスローモーションなど動画撮影の能力がかなり高い、画素サイズは大きめなAPC Cと言ったところです。
ただし、値段がソコソコするので、カメラ好きには良いかもしれませんが、初心者や入門者にはちょっと敷居が高いかもしれません。
もっとも、同時期に発売されるEOS M5よりは断然α6500の方が魅力的です。
Sony α6500をおすすめしたい人はこんな人
- すでにSonyや他社のミラーレスカメラを持っている人 ← ステップアップに。
- 10万円ぐらいのAPSカメラを買おうかと考えている人 ← EOS 80Dといった機種とも競合してくるかと思います。
- 軽いミラーレスよりAPSサイズのセンサーでの画質を重視する人 ← こういった方は結構いらっしゃるのでないかと。アダプターをかますとCanonのEFレンズも使えるようです。
- 4K撮影が出来るカメラを考えている人 ← 4K画像は今後のトレンドですね。対応するテレビがまだ普及していないとも言われますが、10年後に撮った映像を見直すときは4Kであったほうが満足度は高いと思います。(10年前のFHDで無い映像をみると、FHDで撮って置けばよかったとおもいませんか?)
- 動画の撮影能力が高い ← ビデオカメラとの違いはズーム機能などですが、ズーム機能を多用しない撮影をするなら十分こちらで対応できます。4k
- Sonyが好きな人/Sonyのカメラが欲しい人
Sony α6500
α6500のセンサーは最新鋭のもの。せっかくなので、センサーを活かしてくれる映りの良いズームレンズと組み合わせると驚くほど綺麗な写真を撮ってくれます。
ボディ単体とズームレンズの組み合わせをお勧めします。
Sony α6500に合わせたいおすすめレンズ
レンズ交換式カメラの良さは撮影したい時の気分に合わせてレンズを変えられることです。
Sony α6500はE Mountと呼ばれるレンズシリーズであればなんでも取り替えてつけることが出来ます。
ズームレンズ
α6500にお勧めの標準ズーム
SEL1670Zは、みんな大好きカールツァイスブランドの標準ズームレンズ.
F4通しの24-105mm(35mm)換算。使いやすい画角なので、つけっぱなしにしておく人も多いかもしれません。
これ一本で大抵の用途はこなせます。
α6500にお勧めの広角ズーム
ミラーレスを買う人に私がお勧めしているのは広角レンズ。
35mm換算、15mmから広角27mm相当です。
重量はわずか約225g。ミラーレスらしく軽量コンパクトな広角レンズです。フルサイズでは重くて持って行く気になりませんが、軽量というのは写真体験を変えてしまう価値。
私は旅行には標準ズームに加えて広角ズームをあわせて持って行きます。
このレンズではないですが、ミラーレスカメラの広角レンズの撮影(こちらは14-28mm相当)です。旅行で持って行くのは広角レンズと標準ズームの組み合わせが多いです。
撮影イメージの参考にどうぞ。
LUMIX G VARIO 7-14mm F4.0 評価とレビュー
単焦点レンズ
ズームレンズも便利なのですが、くっきりきっちり画質が良く、値段も安いという単焦点レンズもお勧めです。ソニーの単焦点FEレンズには手ブレ補正がついていないのですが、本体に強力な手振れ補正昨日が内蔵されたα6500との組み合わせが最大限に生かせます。
背景が大きくボケて主題にピンとがばっちりあった一眼っぽい写真を撮りたい人にSony α6500にお勧めの単焦点の交換レンズを選んでみました。
SEL50F18
価格が安く使いやすい焦点距離の単焦点レンズのことを最近はシンデレラレンズと言うそうです。
SEL50F18は、焦点距離50mm。35mm換算で75mmのいわゆる中望遠レンズ。人物・ポートレートを撮りたい人におすすめのレンズです。
重量は202g。
値段は23000円ほど。
SEL24F18Z
SEL24F18Zは、焦点距離24mm。35mm換算で36mmの普段使いに便利なレンズです。
大体75000円ぐらいです。お値段は張りますが、描写力が良いのでこだわりたい方にはお勧め。
重量は驚きの225g。かなり軽いです。F1.8と明るいので、夕暮れのお散歩に良さそうですね。
Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA
Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZAを使いたいので他社ではなくソニーのミラーレスを選ぶという人も多い、人気のレンズ。
値段は8万6千円程度と決して安くはありませんが、高画質を求める方に。α6500を購入するならこのレンズの組み合わせがおすすめ。