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【実家の片づけ体験談】親に自分で家を片付けてもらうよりも大切なこと

実家の片づけ

実家の片づけは子供にとって大きなテーマ。万が一にも、親がなくなってから子が片付けることになると、多くの手間や時間がかかります。週末のたびに実家に帰り、半年以上かかったという話も珍しくありません。親御さんが元気なうちに自分で片付けてもらうのが子供世代から見ればありがたいのですが。。片付けをうまくするためのヒントです。

 

実家の片づけ・終活とは?

「終活」や「実家の片付け」といった言葉が最近話題になっています。

終活や実家の片付けの最大のポイントは、残された人の時間を奪わないことにあると思います。

例えば、次のような作業は、親御さんが元気なうちにやるのと、親御さんがなくなった後に残された子供たちが自分でやるのでは、使う時間が大きく違います。

私が考える整理は以下の4つです。

  1. モノの整理 (家具・電化製品の整理、写真・DVDの整理、書籍・書面等の整理)
  2. 情報の整理 (万が一の時の連絡先リスト、終末医療方針の確認)
  3. 資産・負債の整理(どこにどれだけの資産があるか、証券?預金?保険?土地?)
  4. いざというときの整理(終末医療はどうするか、胃婁をつけるか、お墓はどこに作るか?)

モノの整理は、お金を払って業者を呼べば、捨ててもらえます。

一方、情報の整理、資産・負債の整理は親御さんが元気なうちにやっておくのが得策です。

親御さんに聞けばすぐわかることでも、聞く相手がいない状況では何時間もかかることが容易に予想できます。

日頃からコミュニケーションよくしていればいいのかもしれませんが、なかなかそうは言ってられない、という方も多いでしょう。

最近では、「エンディングノート」という便利なものがどこの書店でも売られています。

 

実家の片づけが難しい理由

親の片づけ体験談

XXさんのおじいさんは、偉かった。自分がなくなる前に、複数もっていた不動産を整理した他、財産も整理、遺品もキレイに整理したうえで亡くなった。。。

そんな話を過去、一度だけ聞いた事があります。

でもこれは非常にレアケース。残された子供世代が大変だった!というのがよくあるケースです。

実家の片づけが難しい理由をまとめてみます。

そもそも他人

親と子供はそもそも他人。

いくら家族とは言え、他人の家の事に、あれこれ言われたらたまりませんよね。(笑)

でも、だからといって、そのまま放置されていると、後片付けや何やらは子世代が行う事になります。

 

世代間の意識の差

親には大切なものでも子供にはガラクタでなかなか家が片付かないということに子供世代は問題意識を持っています。

(そもそも親世代は問題意識を持っていないので、問題にはならず、親子喧嘩になります。(笑))

また、「ものを大切にしなさい」「とっておきなさい」と教育されて育ってきた親世代は、モノを捨てることに抵抗感がある人も多いようです。

 

内容がデリケート

こういった話は、デリケートな部分を多く含みます。

病気、健康、遺産、相続、終末期医療といった内容を否が応でも想像させるからです。

でも、元気がなくなってからだと、もっと生々しくなってしまうのも事実。親御さんが元気な人は、元気なうちに、冗談半分、お話ししながら、元気なうちだからこそ出来る話、として話しておくことをお勧めします。

特に終末医療をどうするかは大きな問題です。モノの整理や遺産はお金を払って業者を読んでモノを捨ててもらったり、相続放棄をすれば解決できますが、終末医療の方針をどうするかというような話は、お金では解決できない問題だからです。

胃ろうや点滴をして延命をしたいか、そこまではいらないとするか。本人の意思を聞いて、メモに落としておくだけでも、だいぶ負担が違います。

「カリフォルニアの親戚」という言葉を聞いた事がありますか?

近くに住む親せきが看病していたところ、今わの際に、遠くに住んでいてあったこともないような親戚なのかどうかもわからない親戚(=カリフォルニアの親戚)がいきなり病院にやってきて、無邪気に空気も読まずにこれまでの治療方針を批判するという話は、本当によく聞く話です。

例えば、いちど延命治療をつけると、取り外すことはできません。取り外すことが生命の維持を留めてしまうからです。

つまり、延命治療を行った後は、もう後戻りをすることはできません。熟慮が必要とされる判断です。

 

でも、実際に延命治療をおこなうかどうかについての決断は、短期間の間に決めなくてはいけないケースもあります。

また、そもそも、医療機関に事前に伝えておいた方が良い場合もあります。

 

どんな治療を本人が望むのかどうか、本人が元気なうちにしか確認できません。

元気なうちに、しっかりコミュニケーションをとって確認して、トラブルが起きないようにメモに書いておくことをお勧めします。

ちなみに本屋さんで売っている「エンディングノート」をいくつか比較しましたが、どのエンディングノートにもこのコーナーがあって、本人に意思を書き込んでもらえるようになっています。

ただし、大きく扱いがあるのか、ちょっとしか書いていないかはノートによってバラバラ。

気になる人は本屋さんで確認されることをお勧めします。

 

親の片づけ 体験談 親世代目線

エンディングノート

そもそも、親御さん世代は、「実家の片づけ」についてどう考えているのか?

そして、「どうしたら親は、自分で家を片付ける気になるか?」という点が気になったので、親御さん世代に感想を募集。

素直な思いを75歳の方に書いてもらいました。

親御さんとの会話の際の参考にしてください。

 

余計なお世話と思う親世代

自分たちの娘や息子に「家や身の回りの物を片付けてくれ」と言われても、「お前たちにそんな事を言われるいわれはない」と答えます。

どうせ、娘は嫁に行き、息子は結婚したら家を出て行くのです。ここは自分たち親の住処なのだから、「どうしようと親の勝手だ」と思います。

まして、元気はつらつとしている間に、「片付けろ」などと言われれば、「身の回りをきれいにして俺たちには早いとこ死ねと言うのか」と開き直ります。

元気なうちに家を片付けるなんてしたくはないのです。

親世代もわかっていないわけではないが、、

若い頃は、大病でもしない限り、自分が「死ぬ」ことなんか考えたことはないのです。ある程度齢を取っても、病気ひとつせず体力に自信のある人は、やはり、死というものには縁がないと思っているケースが殆どでしょう。

しかし、病気じゃなくても、死ぬときは死ぬのです。それがいつなのかは、「神のみぞ知る」です。

さすがに、親世代もこのことはわかっています。

70歳を超える頃になると、自分は病気もなく元気なのに、「死」というものについて考えることがあります。

そんなときには、自分の身の回りの整理をしなければならないと思い始めるのです。
いつ死ぬのか文字通り「デッドライン」でも決まっていれば、計画を立てそれに従って実行すれば良いのです。

自分の死後、子供(たち)に迷惑をかけないためにも、何をどう整理したら良いのかを考えます。しかし、いつまでにしなければならないのか分からない状態では何もする気になりません。結局はずるずると時が経って行きます。

結局は、何か「きっかけ」が必要なのです。何か片付けをする口実が必要なのです。

 

きっかけとは何か?

では、そのきっかけとは一体何なのでしょうか?
過去に照らしてよく考えてみると、色々な状況下でいくつかのきっかけがあったことを思い出します。

タバコを止めたとき。妻に「止めてくれ」と何度お願い、最後は「命令」されてもどうしても止めなかった。
しかし、親しい友人が肺がんで亡くなった、あるいは孫が産まれたことがきっかけで禁煙することができた。誰しもこうした体験をしたことがあるはずです。

では、「家の片づけ」をするようになるきっかけとは何でしょう。人は「十人十色」で、感受性もそれぞれ異なるので、どれが当てはまるのかは分かりません。

「家の片づけ」を始めた自分や同年配の友人たちによれば、

1.自分や配偶者の病気・死亡
2.自分より若い近親者の病気・死亡
3.同級生の重病・死亡
4.孫の誕生
5.引っ越し など

私たちの場合は「孫の誕生」「引っ越し」でした。

 

写真の整理はデジタル化

孫の誕生により、多くの写真・動画撮影を行うようになりました。孫の写真や動画を撮りまくったため、かなりの量になってしまい、アルバムに貼るどころではなくなってしまいました。

そのため、アルバムの整理を始めたのです。亡くなった双方の両親・祖父母の分やアルバムに貼り切れないで放置してあった写真も含めると5,000枚以上ありました。

アルバムも大小合わせて全部で50冊近くあり、書棚に入りきらずに納戸に放置された状態でした。従って、何か特別の理由でもない限りは見ることもありませんでした。でも一葉一葉の写真にはすべてそれぞれの思い出があり、捨てる訳にはいきません。

そこで、考えたのが、【一切捨てないで、別の記録に残す】ことでした。

写真そのものは全てアルバムから外し、1枚1枚をタブレット・スマホのカメラで撮影しました。そのデータをパソコンに保管し、バックアップの意味で同じデータをUSBにも保管しました。

例えば、両親・親戚・孫・旅行といったように細かく分類したので、いつでも好きな写真を簡単に見ることができ、アルバムに貼ってあったときよりも頻繁に見られるようになりました。

そして何よりも良いことはスマホで撮った写真は今後、色褪せしないことです。

枚数が多いため、写真の整理には10日間以上を費やしましたが、これは本当にやってよかったとつくづく思います。

最近9歳になる孫の成長記録写真をまとめて1つのUSBに収め、息子夫婦に渡したところとても喜んでもらえました。孫の写真は、親よりも祖父母の方が多いのです。

こうした方法は「パソコンを使えなければできないじゃないか」と思われるあなた。

自分でできなければ、息子さんか娘さんに頼んでください。捨てる訳ではないので、何も考えずに全てスマホ撮影すれば良いのです。

そしてやり方は教えてもらえば自分でも出来るようになります。
ついでに、親子の会話も弾みますよ。

データにした写真は、パソコンや写真屋で簡単に元と同じにプリントできます。アルバムに貼ってあった写真は、シュレッダーで裁断します。これだけは仕方ありません。

 

書籍は処分

次に、写真の整理のついでに、不要な書籍・書類の整理も行いました。
読み終わった本はもう一度読むことは殆どないので、息子夫婦に要るかどうかの確認をし、不要と言われた本は全て処分しました。
ノウハウ本なども、今は殆どの事がインターネットで知ることができるので処分しました。

 

引っ越しと同時に家具も処分

昨年近所の賃貸マンションに引っ越しました。前の住処は夫婦二人には広めだったので、少し狭めのマンションに引っ越すことにしたものです。

その際、大きな家具をいくつか処分しました。妻の母親が買ってくれたかなり大きめの高級家具は30年も捨てられずにいましたが、狭い家ではとても収納できそうにないので、泣く泣く処分することにしました。

 

引っ越しをしない人は?

持ち家で引っ越しをしない場合、別のきっかけをみつけましょう。

こうした整理は、必ずしも「終活」(人生の終わりについて考える行動・死と向き合い、最後まで自分らしい人生を送るための準備)のために行っている訳ではありません。

いざという時のための準備なのです。

我々夫婦は旅行が好きで、年に2~3回は国内・海外に出掛けます。その際には、必ず息子夫婦に1通の書面を残しています。

これは、「遺言状」ではなく、自分たち夫婦に万が一の事態が生じたときの対処法について記載したものです。

連絡先リスト、借金等の有無、旅行傷害保険の内容などが記載されています。株券などを保有していれば、証券会社の担当者・連絡先なども記載します

書面の入った封筒は自宅の仏壇の引き出しに保管し、万が一のときにはそれを読むように伝えてから出掛けるようにしています。

自分の両親が無くなったとき、何が何だか分からなくて苦労した覚えがあるので、息子にはこうした思いをさせたくないからです。

親が無くなって財産は残っていなかったとしても、「借財」が多かったなんてショックですよね。
もし、借財の方が多ければ、生きているうちに子供にもその旨伝えておくのが親の責務だと思います。

財産が多くて「相続争い」に発展してしまうのも考えものですが、借財を残すのだけは止めたいものです!

 

まとめ 「家を片付ける」とは?

「家を片付ける」というのは、実際には、次のような事を指しているのです。

1.財産・借財の明細
2.万が一のときの連絡先リスト
3.家具・電化製品の整理
4.写真・DVDの整理
5.書籍・書面等の整理 等々

「家の片づけ」に対して、どうしてもきっかけが掴めない場合でも、親の義務として出来る限り早い機会に片付けを実行するべきです。

子供がいなくても、誰かがあなたの正負の財産を相続することになるのです。

子供は親が何故あんな物を後生大事に取っておくのだろうと思うでしょう。
これは夫婦間でも同じです。ですから親子で物に対する価値観が異なるは仕方のないことです。

親の手元に残っている物には色々な思い出が詰まっているんです。
だから、子供が家の片づけを手伝うと言ってくれても、喜んで受けるわけには行きません。
自分の思い出は自分で処理したいのです。

人生にはときにより「思い切り」が必要なのです。

「家の片付け」は一度に全てをしようと思わずに、少しずつ楽しみにやるのがコツです。

 

家の片づけ

ending note

実家の片づけについてまとめてみました。

軽くはないテーマですが、誰にでもいつかは起こりうることです。

とはいえ、重くなってしまうので、「敬老の日にはエンディングノートを贈ろう!」とか、「還暦にはエンディングノートも!」みたいな文化ができると渡しやすくなるな~と思いました。

結局はコミュニケーションが普段からよくできているかどうか。

盆暮れ正月、みなさんが集まった際に、このブログの記事を見せる、あるいはエンディングノートを肴にお酒でも飲みながらワイワイ話してみるのはいかがでしょうか?

「カリフォルニアの親戚ってしってる?」な~んて、親戚の集まりのネタにはちょうどいいかも?(笑)

 

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