結露しない、部屋が寒くならない断熱性の高い窓。断熱性に優れた窓ランキング。あの工務店で採用されているメーカーも公開。
目次
断熱性の高い窓とは?
断熱性を語るうえで窓は重要な部材です。冬は6割、夏は7割の熱が窓から出入りしているというのに、窓の性能はかなり低かった。
しかも、後から窓を変えることはほぼないでしょうし、途中で買えるぐらいなら最初からよい窓を入れておいた方がいいと思います。
窓の性能は、熱貫流率(U値)という数値で測れます。
このU値は数値が小さいほど性能が高く、新築住宅においても売れ筋の7割が4.65W/m2・Kという低いレベルにとどまっていました。
性能が悪かった理由は、断熱性に対する無頓着から、シングルガラスにアルミサッシを使っていたこと。
アルミは樹脂に比べて、1,000倍熱を伝えやすいと言われていますが、それをずーっと使ってきました。
そりゃ、結露もするわけですね。。カビやダニもそうだし、ヒートショックも怖いし、住環境を整える設備としては最悪です。
諸外国に比べてもお粗末だった日本の窓
ヨーロッパ各国の基準値
・フィンランド …… 1.0
・ドイツ …… 1.3
・デンマーク …… 1.5
・チェコ …… 1.7
・オーストリア …… 1.7(住宅は1.4)
・イギリス …… 1.8
・ハンガリー …… 2.0
・フランス …… 2.6(住宅は2.1)
・イタリア …… 2.0-4.6
・スペイン …… 2.1-2.8https://ecomado.net/2016/01/06/%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%AE%E7%AA%93%E4%BA%8B%E6%83%85%E3%80%81%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E7%AA%93%E4%BA%8B%E6%83%85/
今の日本の最高基準(2.33W/m2・K)が韓国の最低基準程度。
日本メーカーなのに、中国に向けては日本国内向けよりも性能の高い窓を出荷している会社があるほどです。
窓の断熱性能は、「熱貫流率」という指標で比較します。U値とも言い、単位はW/m2(平方メートル)・Kです。1m2当たり、かつ1時間当たりに通す熱量を表し、小さいほど熱の出入りが少なく高性能であることを意味します。多くの国では窓の重要性がよく認識されており、U値に関して最低基準を設けています。その値をまとめたのが上の表です。
日本には非常に残念ながら、いまだに最低基準が存在しません。よくあるアルミニウム製の枠に一重(単板)のガラスを使った窓は、U値が6.5W/m2・Kと、とんでもなく低性能な値ですが、今もこうしたタイプの製品を販売することが許可されています。日本に5700万戸あるといわれる住宅の8割以上は、U値が6.5W/m2・Kというレベルでしかないといえます。
現在は各社がU値1W/m2・K前後と世界レベルのサッシを発表しています。北海道や東北、日本海側の地域ではこのレベルが必須といえます。東京や大阪の近辺でも、U値1.5W/m2・K程度の窓が、健康で快適でありながらトータルコストを安く抑えるのに必須のアイテムです。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO78836460U4A021C1000000/?df=4
各メーカー商品スペック比較表
断熱性が高い窓はトリプルガラスで樹脂サッシが基本。
永く使うモノですからペアガラスで樹脂とアルミのハイブリッドなんて中途半端なことは言ってないで、トリプルで樹脂(あるいは木製)サッシを選ぶのをお勧めします。
見積もりを取る際の参考にしてください。
ランク | 会社名 | 商品名 | 熱貫流率 U値 | ガラス | 中空層 | スペーサー |
1 | LIXIL | レガリス | 0.55 | 5枚ガラス | クリプトンガス | 樹脂SP |
2 | エクセルシャノン | シャノンウィンドウUF | 0.73 | トリプル | クリプトンガス | |
3 | YKK AP | APW 430+ | 0.78 | トリプル | クリプトンガス | |
4 | LIXIL | エルスターX | 0.79 | トリプル | クリプトンガス | |
5 | エクセルシャノン | トリプルシャノンIIs/IIx | 0.80 | トリプル | アルゴンガス | |
6 | 一条(ハウスメーカー) | オリジナルサッシ | 0.8 | トリプル | クリプトンガス | |
7 | YKK AP | APW 430+ | 0.84 | トリプル | アルゴンガス | |
8 | 三協 | トリプルスマージュ | 0.85 | トリプル | クリプトンガス | |
9 | LIXIL | サーモスX | 1.03 | トリプル | アルゴンガス |
LIXIL
これまでの低断熱性能を反省し(?)、2020年度までに高性能窓比率70%以上を実現することを目標としている意欲あるメーカーです。
熱貫流率は窓の大きさやタイプ(引き戸・固定窓)等によってことなるようですが、一般的な数値を記載します。
レガリス
リクシルのレガリスはなんと5層ガラス。
断熱性能0.55W/㎡・Kは、世界最高峰を謳い、グラスウール85mm(R2.2以上)の断熱壁とほぼ同等の断熱性能を実現するとしています。
スペック重視で作った感があり、一般的ではないですが、メーカーの意気込みは感じます。(笑)
エルスターX
熱貫流率0.79W/(㎡・K)でありながら、特殊薄板ガラスを採用し、トリプルガラスを軽量化。楽に開け閉めできます。
サーモスX
同じサーモスXでもトリプルガラス、複層ガラスといろいろなタイプがありますが、トリプルガラスクリプトンガス入りは熱貫流率1.03W/(m2・K)という圧倒的な断熱性能。
ペアガラス(アルゴンガス仕様)でも熱貫流率1.52W/(m2・K)です。
但し、注意が必要で、サーモスXは、アルミと樹脂のハイブリッド窓。
サッシ部分の割合が少ない大きな窓だと、熱貫流率は低いのですが、サッシ部分の割合が大きい小さい窓だと、熱貫流率値はなんとUw値が2.57!!
フレーム(サッシ部分)が細いことは、この窓の良さとして挙げられます。
エクセルシャノン
化学品メーカーのトクヤマの系列会社で樹脂サッシ専業メーカーです。
1976年には日本初の樹脂サッシを製品化していて、日本の樹脂窓のパイオニアと言ってもいいかもしれません。
エクセルシャノンが作る樹脂窓の性能の高さは、断熱性をウリにする一条工務店で採用されるほど。
断熱性能はLixilのエルスターXと同等かそれ以上です。
そして、値段もお手頃ときたら、見積もりは是非とっておくべしですね。
UFシリーズ
0.73W/㎡・K
開発者の熱いインタビュー記事。短い記事なのでさっとよめます。
私が日本から来たエンジニアだと分かると、急に対応が悪くなってしまいました。それは日本の住宅に設置される窓は一般的にアルミ製が多く、断熱性能や防露(結露抑制)性能の規制や義務化が、他の先進国と比べ格段に遅れていることを彼らは知っており、日本を下に見ているからでした。負けず嫌いな私としては、彼らの商品性能を超えることを一つの目標に掲げて研究に取り組みました。
窓は大きく分けて、フレーム部・ガラス部・ガラス周縁(エッジスペーサー)部の3つの要素から構成されます。そして、各要素の断熱性能向上が窓全体の断熱化に繋がります。
まずフレーム部に対しては、フレームの中空部に断熱材を【発泡充填】することを検討しました。発泡充填により、断熱材が中空部に隙間なく配置され、大きな性能向上に繋がります。私としては、この発泡充填技術の確立(充填条件の最適化)に最も苦労を要しました。
次に、ガラス部・ガラス周縁部については、性能向上と軽量化のため、ガラス中空部に低放射フィルムを多層化、さらに従来エッジスペーサーの材質や形状を見直しました。
この他にも様々な要素技術の検討を行い、最終的にUw値=0.63W/(㎡・K)という世界トップクラスの断熱性能を確認しました。
トリプルシャノンIIx
0.8W/㎡・K
YKK AP
熱貫流率は窓の大きさやタイプ(引き戸・固定窓)等によってことなるようですが、一般的な数値を記載します。
APW430
2014年4月に発売のトリプルガラス樹脂窓。
熱貫流率 0.84
APW 430を検討した方のブログ
APW330
ペアガラスオール樹脂サッシの窓。もともとは2009 年発売ですが、スペーサーの改良などを行ってきたりしています。
熱貫流率1.31
断熱部材
断熱性に優れたドアはYKKのイノベスト一択。D70とD50があります。
イノベストD70とD50の間ぐらいの断熱性を持つのが三協アルミのプロノーバ。
一条工務店に採用されているのは、三協アルミのプロノーバです。